ワークアズライフという新しい生き方は、仕事とプライベートを時間で区切らず、一日を通して生産的に過ごすことを目指している。最大のメリットは、活動時間のほとんどを効率的かつ充実した時間に使えること。
しかし、実践するには、ストレスが少なく生産性の高い活動を見つけることが不可欠で、それが同時に最も難しい課題でもある。ストレスの少ない職種を探したり、趣味や好きなことを収入に変えたりするなど、複数の収入源を確保することで、ワークアズライフのバランスを取ることが理想的だ。
ワークライフバランスとワークアズライフ
ワークライフバランスとワークアズライフの概念的な違い
近代ではワークライフバランスという考えの生活スタイルが長らく続いてきました。
これは、1日を仕事をしている時間(work)とそれ以外の時間(Life)とで区別する考えです。
ざっくり、仕事8時間、それ以外の生活が8時間、で寝てるのが8時間のイメージ。
ワークライフバランスという考えの上で、よりよい生活を目指すときに重要になるのが「タイムマネジメント」です。
仕事の時間と、それ以外の時間とをどうバランスとれば上手く回るかということですね。
これに対して、ワークとライフを時間で切り分けるのを辞めましょうというのがワークアズライフです。
起きている時間は全て、仕事であり生活である。
仕事と生活を明確に切り分けないので具体例を出しづらいのですが、一応こんな感じかなというものを。
ほぼリモートワークで、自宅でも仕事が出来るという人は「場所的にワークアズライフ」と言えます。会社で仕事して、終わったら会社を出てプライベートを過ごすという場所的な区別が無い状態。
自分で仕事をする時間が自由に選べる人は、「時間的にワークアズライフ」。朝何時から夕方何時までは仕事という時間的区別が無い。
ホリエモンこと堀江貴文さんは全ての仕事がスマホで出来ると言ってます。
例えば、友人と食事をしている最中であっても、スマホから仕事関係の人へ連絡を入れれば、ホリエモンのプロジェクトは動きます。
この時は「仕事中」なのか「友人との楽しい会食中」なのかははっきり分けることが出来ません。
生産と消費を同時に行っています。
これもワークアズライフと言えるでしょう。
ワークアズライフな生き方のメリット
ワークアズライフが推奨される理由でもあります。
ズバリ、ワークアズライフのメリットは「活動時間の大部分を生産的な時間に出来る」ということ。
解釈は色々あるかもしれませんが、ボクはこれがメリットだと思っています。
ワークライフバランスではワーク(生産)が8時間とライフ(消費)が8時間。
お金を基準に言えば、一日のうち稼いでいる時間が8時間で、お金を消費する時間が8時間あるということです。
これがワークアズライフになると、起きている時間のほとんどがお金を稼いでいる状態にも出来るということです。
タイムマネジメントからストレスマネジメントへ
ワークライフバランスの生き方をするにあたって重要になるのが、ワークとライフのバランスをとるための「タイムマネジメント」です。
対して、ワークアズライフの生き方において重要になるのが「ストレスマネジメント」となります。
- ワークライフバランス→タイムマネジメント
- ワークアズライフ→ストレスマネジメント
ワークアズライフでは、ワークとライフが時間的に区別されているわけではないので、時間をマネジメントするという考えはなくなります。
1日中ワークであり、同時に1日中ライフなのです。
ここで重要になるのが「1日をトータルして自分の許容できるストレスレベルに抑える」というストレスマネジメントです。
例えば、自分にとってめちゃくちゃ辛いけど時給1万円くらいもらえて、1日2時間くらいなら耐えられる仕事があったとします。
- 1日2時間仕事(つらいから2時間だけ)
- 週に3日(ストレスやばいからこれしかやりたくない)
- 時給換算で1万円
これでも1日2時間を月に12日だけやれば「月給24万円」で生活出来ます。
例えば、時給換算で800円しか貰えないけど、楽しくて何時間でも出来る仕事があったとする。
- 1日12時間仕事(楽しいから活動時間のほとんど出来る)
- 週6仕事(ストレスがないから毎日でも出来る)
- 時給換算800円
これだと、800円×12時間×月24日で「月給23万400円」。これでも生活できる。
もし時間あたりの報酬額がかなり低いとしても、ストレスなく楽しく1日中出来るのであれば、生活の収支としてはプラスにできます。
ホワイト企業・ブラック企業はワークライフバランス的な区別
- 時給2000円で8時間働いた後、ストレス解消に飲みに行って4000円消費
(ワークライフバランス的) - 時給1000円で12時間働いて、ストレス解消する時間もないし必要もない
(ワークアズライフ的)
いずれの場合も一日の収支は12000円で同じになりますよね。
時給2000円の8時間労働は、要するに一日に8時間までしか出来ないストレスレベルなのが問題。これを解消するためにストレス解消のコストがかかります。
肉体的・精神的に回復するためにコストを投じないと、翌日また同じように働けない状態です。
ちなみに、この状態で労働時間だけが増えて「回復する時間が無い」とか、同じストレスレベルなのに給料が低くて「回復するためのお金が足りない」という環境をブラック企業とも言います。
ちゃんとストレスがキャパシティ内に収まるような時間とお金が与えられ、翌日もちゃんと出勤できる余裕をくれるのがホワイト企業(ワークライフバランスが良い)。
一日を「ストレスに耐えて生産するワークの時間」と「翌日また働けるように精神と肉体を回復させるライフの時間」とに分けている場合で、このバランスの良し悪しでブラックかホワイトかということ。
ブラックな環境の何が悪いかというと、回復が追いつかないまま働き続けるので、どこかでストレスのキャパシティが限界になり、仕事を辞めなければならなくなったり、鬱になったり、ひどいと自殺になること。
要は「仕事を長期間続けられない環境」がブラックいうことです。
ただし、何にどれくらいストレスを感じるかは個人差がありますので、単純に給料や仕事の内容でブラックかホワイトかは判断できません。
過労死が出た環境において、同僚の中には「え、なんでこんなので耐えられないの?」と思っている人もいるわけです。
個人差があるので、全員に良い環境ってなかなか作られないんですよね。
ということで、時間や給料がどうこうではなく「自分にとって許容できるストレスの範囲をマネジメントして生きましょう」というのがワークアズライフです。
ワークアズライフを実践するにあたっての問題点と対策
「ストレスが無く生産的な活動」はなかなか見つからない
ワークアズライフを実践するにあたって、必要なのが「1日の大部分の時間取り組めるくらいストレスが無いかとても少ないもので、かつそれが生産的である何か」です。
それが仕事であろうが遊びであろうがなんでもよくて、ただ自分にとってはストレスを感じずに続けられるもの。
そしてその結果として、「毎月の生活コストを捻出できる程度に生産的な何か」です。
この「ストレスか無く生産的な何か」さえあれば今すぐにでもワークアズライフな生き方が出来るでしょう。
今の仕事を辞めて、一日中それをやってもいいし。
今の仕事の時間を半分くらいにしてストレスを減らして、残りの時間をストレスの少ない仕事にあててもいい。
これは自分でストレスマネジメントします。
しかし、ワークアズライフを実践するにあたって唯一必要なものが、同時に「最も入手困難なもの」と言えます。
ストレスを感じない仕事を探すか、ストレスを感じない行為をマネタイズするか
ワークアズライフに移行するために必要な「ストレスが少ない生産的ななにか」を手に入れるための手段は2つ。
- 自分にとってストレスを感じない仕事を見つける
- 現状ストレスを感じず続けられているものをマネタイズする
このどちらかが出来れば、ワークアズライフに近づけたり、仕事を組み合わせることで自分的にホワイトな働き方を構成したりできます。
いずれにせよ、複数の働き方・収入源を確保する方向を目指すのが最適解だと思います。
例えば、保育士さんで給料が低めで苦労している人がいますが、仕事終わってからBARなどで副業をしていたりします。
本人がお酒や飲みの場が好きなので、仕事終わりに飲みに行って消費していた時間が生産の時間に変わります。
ストレス解消に使っていた飲み代が減って、時給1000円程度でもストレス解消しながら得られるとなれば、トータルの収支はかなり余裕が生まれますよね。
となると、「給料低いから保育士辞めなきゃ」みたいなのも防げるわけです。
こうしてバランスがとれればワークアズライフです。
※まぁ、副業する余裕があるかどうかは職場によりけりでしょうが
あとは、ソシャゲなら一日中やっても飽きない!という人は、それをマネタイズできるならソシャゲだけやって生活できます。ソシャゲに課金するために、ソシャゲを我慢して嫌な仕事をする必要もなくなります。
これは「趣味が仕事」みたいなやつですね。
実際、ブロガー・ユーチューバー・インスタグラマーなど個人で発信してる人で、こういう人は大勢います。
これを目指してみるのも1つです。
とりあえずなんか探してみよう
- 自分にとってストレスを感じない仕事を見つける
- 現状ストレスを感じず続けられているものをマネタイズする
これのどちらでもいいので、自分で動いてみるといいです。
「仕事とは会社にいって8時間働くもの」という固定観念を一回捨てて、「なんか楽しそうで小銭にでもなるものないかな?」「これ好きなんだけど少しでも収入に出来ないかな?」とアンテナをはって生活することです。
労働時間の概念を無視して、「許容できるストレスの範囲内で、生活ができるかどうか」を目指して進んでみましょう。
ボクも色々探し中です。
ではでは。