取引所のハッキングで数百億円が流出するニュースを見るたびに不安になり、「ハードウェアウォレットを買わなきゃ」と思いながらも、製品が多すぎてどれを選べばいいか分からず、行動できないままになっていませんか?
Coincheckの580億円流出、DMM Bitcoinの482億円不正流出——取引所のハッキングは「もしも」ではなく「いつか起こる」リスクです。しかし、価格も機能も異なる製品から最適なものを選ぶのは、初心者には非常に難しいのが現実です。
本記事では、主要6製品を10年間のトータルコストやセキュリティの観点から徹底比較しました。価格、バッテリー寿命、対応通貨、接続方式など、6つの比較ポイントから自分に最適な製品を自信を持って選べるようになります。安全な購入方法から初期設定、実際の送金方法まで完全網羅しています。
予算1万円ならTangem、1.3万円なら定番のLedger Nano S Plus、4万円台で最高の使い勝手を求めるならLedger Flex——あなたに合った最適な選択肢が必ず見つかります。
ハードウェアウォレットとは?仕組みとメリット・デメリット
仮想通貨を守る物理デバイス

ハードウェアウォレットとは、暗号資産(仮想通貨)の秘密鍵を物理的なデバイス内で管理する専用機器です。USBメモリ型やカード型など、さまざまな形状があり、インターネットから完全に切り離された状態で秘密鍵を保管します。
秘密鍵は仮想通貨の所有権を証明する重要な情報であり、これが流出すると資産を失うリスクがあります。ハードウェアウォレットは、この秘密鍵をデバイス内部で生成・保管し、外部に送信しない仕組みを持っています。
取引の署名はデバイス内部で完結するため、パソコンやスマートフォンがマルウェアに感染していても、秘密鍵が盗まれる心配がありません。
オンラインウォレットとの違い
ハードウェアウォレットとホットウォレット(オンラインウォレット)の最も大きな違いは、秘密鍵の保管場所です。
📊 比較ポイント:
| 項目 | ハードウェアウォレット | ホットウォレット |
|---|---|---|
| 秘密鍵の保管 | オフライン(デバイス内) | オンライン(アプリ・ブラウザ内) |
| ハッキングリスク | 極めて低い | 高い |
| 利便性 | やや手間がかかる | 非常に便利 |
| 初期費用 | 5,000円〜50,000円 | 無料 |
| 適した用途 | 長期保管・高額資産 | 少額・頻繁な取引 |
ホットウォレット(MetaMaskなど)は無料で使いやすい反面、常時インターネットに接続されているため、フィッシング詐欺やハッキングの標的になりやすいという弱点があります。
ハードウェアウォレットが必要な理由

🚨 取引所のリスク:
過去に発生した主な取引所ハッキング事件:
- 2018年:Coincheck(コインチェック)で580億円相当の暗号資産が流出
- 2024年:DMM Bitcoin から482億円相当のビットコインが不正流出
取引所に資産を預けたままにすると、取引所がハッキングされた際に資産を失う可能性があります。
💡 自己管理の重要性:
暗号資産の世界では「Not your keys, not your coins」(秘密鍵を持たなければ、それはあなたのコインではない)という格言があります。ハードウェアウォレットを使えば、秘密鍵を自分で管理し、真の意味で資産を所有できます。
メリットとデメリット
メリット
✅ 高いセキュリティ性:
秘密鍵をオフラインで保管するため、リモートからのハッキングが物理的に不可能です。デバイス内で署名処理が完結するため、感染したパソコンを使っても秘密鍵が漏洩しません。
✅ 物理的な二要素認証:
送金時にデバイス本体のボタン操作やPINコード入力が必要なため、不正な取引を防げます。スマートフォンが乗っ取られても、ハードウェアウォレット本体がなければ資産を動かせません。
✅ 複数の暗号資産に対応:
多くのハードウェアウォレットは、ビットコイン、イーサリアム、その他数千種類の暗号資産に対応しています。1つのデバイスで複数の資産を一元管理できます。
✅ リカバリー機能:
デバイスが故障・紛失しても、リカバリーフレーズ(12〜24個の英単語)があれば、新しいデバイスで資産を復元できます。
デメリット
❌ 初期費用がかかる:
ハードウェアウォレットの価格は5,000円〜50,000円程度です。無料のホットウォレットと比較すると、導入のハードルが高く感じられます。
❌ 紛失・破損のリスク:
物理デバイスであるため、紛失や破損の可能性があります。ただし、リカバリーフレーズを安全に保管していれば、資産は復元可能です。
❌ リカバリーフレーズの管理が必須:
リカバリーフレーズを紛失すると、デバイスが壊れた際に資産にアクセスできなくなります。紙に書いて金庫に保管するなど、物理的な管理が必要です。
❌ 取引の手間:
送金のたびにデバイスを接続し、本体で確認・承認する必要があります。頻繁に取引する場合は、ホットウォレットと使い分けるのが現実的です。
❌ バッテリー寿命(一部機種):
Bluetooth対応モデルなど、内蔵バッテリーを搭載した機種は2〜5年でバッテリーが劣化します。交換できない仕様のため、買い替えが必要になる場合があります。
ハードウェアウォレットの選び方|比較ポイント6つ
価格(初期費用とランニングコスト)
ハードウェアウォレットを選ぶ際、初期費用だけでなく、ランニングコストも考慮する必要があります。
💰 価格帯別の特徴:
| 価格帯 | 特徴 | 代表的な製品 |
|---|---|---|
| 1万円以下 | コスパ重視、基本機能 | Tangem(3枚組) |
| 1〜2万円 | バランス型、初心者向け | Ledger Nano S Plus、Trezor Safe 3 |
| 2〜3万円 | 多機能、Bluetooth対応 | Ledger Nano X |
| 3万円以上 | 最上位、タッチスクリーン | Ledger Flex |
⚠️ 見落としがちなコスト:
初期費用だけでなく、以下のコストも考慮しましょう:
- バッテリー交換・買い替え費用(2〜5年ごと)
- バックアップ用のデバイス購入費用(推奨)
例えば、2.5万円のLedger Nano Xは、バッテリー寿命が3〜5年のため、10年使うと2〜3回買い替えが必要です。トータルコストは5〜7.5万円になる可能性があります。
一方、バッテリー不要のTangem(約1万円)は、25年以上使えるため、長期的にはコストパフォーマンスに優れています。
📊 10年間のトータルコスト比較:
| 製品 | 初期費用 | バッテリー寿命 | 10年間の買い替え回数 | トータルコスト |
|---|---|---|---|---|
| Tangem | 1万円 | 不要(25年) | 0回 | 1万円 |
| Ledger Nano S Plus | 1.3万円 | 不要 | 0回 | 1.3万円 |
| Ledger Nano X | 2.5万円 | 3〜5年 | 2〜3回 | 5〜7.5万円 |
バッテリー寿命と製品寿命

バッテリーの有無は、製品選びの重要なポイントです。
🔋 バッテリー搭載機種:
Bluetooth対応のLedger Nano XやCoolWallet Proは、リチウムイオンバッテリーを内蔵しています。便利な反面、以下のデメリットがあります:
- バッテリー寿命:2〜5年
- 交換不可:バッテリーが劣化したら買い替えが必要
- 充電管理:定期的な充電が必要
⚡ バッテリー不要機種:
TangemやLedger Nano S Plusなど、NFC通信やUSB給電を使う機種は、バッテリー劣化の心配がありません:
- 製品寿命:10〜25年以上
- メンテナンスフリー:充電不要
- 買い替え不要:長期的なコスト削減
長期保有を前提とする場合、バッテリー不要の機種が経済的です。
対応通貨の種類
ハードウェアウォレットごとに、対応する暗号資産の種類が異なります。
🪙 対応通貨数の比較:
| 製品 | 対応通貨数 | 特徴 |
|---|---|---|
| Ledger Nano S Plus | 5,500種類以上 | ビットコイン、イーサリアム、NFT、DeFi対応 |
| Ledger Flex | 5,500種類以上 | 最も幅広く対応 |
| Trezor Safe 3 | 数百種類 | 主要通貨中心、NEMなど一部独自対応 |
| Tangem | 数千種類 | 主要通貨対応、NFTは間接的 |
| SafePal S1 | 数千種類 | バイナンスチェーン特化 |
✅ 確認すべきポイント:
自分が保有している、または将来的に保有する予定の暗号資産が対応しているか、公式サイトで確認しましょう。多くのウォレットは主要通貨に対応していますが、マイナーなアルトコインへの対応は製品によって異なります。
接続方式(USB・Bluetooth・NFC)
ハードウェアウォレットとパソコン・スマートフォンの接続方式は、使い勝手に大きく影響します。
🔌 接続方式の種類:
USB接続(有線):
- 対応製品:Ledger Nano S Plus、Trezor Safe 3
- メリット:安定した接続、追加費用なし
- デメリット:ケーブルが必要、外出先で使いにくい
Bluetooth接続(無線):
- 対応製品:Ledger Nano X、CoolWallet Pro
- メリット:スマホで使いやすい、ケーブル不要
- デメリット:バッテリー必要、充電管理が手間
NFC接続(非接触):
- 対応製品:Tangem、Ledger Flex
- メリット:かざすだけで瞬時に接続、バッテリー不要(Tangem)
- デメリット:NFC非対応の古いスマホでは使えない
エアギャップ(QRコード):
- 対応製品:SafePal S1
- メリット:完全オフライン、最高のセキュリティ
- デメリット:やや手間がかかる
📱 スマホ利用の場合:
外出先でスマホと連携して使いたい場合は、Bluetooth対応またはNFC対応の製品がおすすめです。特にNFCは接続が一瞬で完了するため、Ledger FlexやTangemが人気です。
バックアップの方法と簡便性
資産を守るために、バックアップ体制は極めて重要です。
🔐 リカバリーフレーズ方式:
多くのハードウェアウォレットは、12〜24個の英単語(リカバリーフレーズ)でバックアップします:
- 初期設定時に表示される英単語を紙に書き留める
- デバイスが壊れても、この単語で復元可能
- 注意点:フレーズを紛失すると資産にアクセス不可
⚠️ リカバリーフレーズのリスク:
リカバリーフレーズの管理には以下の課題があります:
- 書き間違い:手書きのため誤記しやすい
- 紛失リスク:紙が劣化、火災、水害で失われる
- 盗難リスク:他人に見られると資産を盗まれる
- 保管場所:金庫などの安全な場所が必要
💡 Tangemの独自方式:
Tangemは、リカバリーフレーズを使わないカード自体がバックアップになる方式を採用しています:
- 3枚セットで提供
- 1枚が壊れても、残り2枚で資産にアクセス可能
- 紙に書き留める手間なし
- シンプルで初心者にも安心
操作性とディスプレイの有無
ハードウェアウォレットの操作性は、日常的な使いやすさに直結します。
📺 ディスプレイ搭載機種:
Ledger Nano S Plus、Ledger Flex、Trezor Safe 3などは、デバイス本体にディスプレイを搭載しています:
- 送金先アドレスをデバイス画面で確認可能
- フィッシング詐欺対策に有効
- 視認性が高く、操作ミスを防げる
タッチスクリーン搭載機種:
Ledger Flexは、大型のタッチスクリーンを搭載:
- スマホのような直感的な操作
- PINコード入力が簡単
- 高級感のあるユーザー体験
📱 ディスプレイなし(盲目認証)機種:
Tangemなど、カード型の一部製品はディスプレイを持ちません:
- スマホアプリで操作を確認
- コンパクトで携帯性に優れる
- スマホのセキュリティ管理が重要
初心者には、ディスプレイ搭載で操作が確認しやすい製品がおすすめです。ただし、Tangemのようなカード型も、アプリの操作性が良ければ十分使いやすいと評価されています。
ハードウェアウォレットおすすめ比較|人気機種の特徴
コスパ重視|Tangem Wallet(3枚組)
特徴と価格
Tangem Walletは、クレジットカードサイズのNFC対応ハードウェアウォレットです。3枚セットで提供され、圧倒的なコストパフォーマンスが魅力です。
💳 基本情報:
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 価格 | 約10,000円(69ドル) |
| 形状 | カード型(クレジットカードサイズ) |
| 接続方式 | NFC(非接触) |
| バッテリー | 不要 |
| 製品寿命 | 25年以上 |
| 対応通貨 | 数千種類(主要通貨対応) |
| ディスプレイ | なし(スマホで操作) |
| 防水性能 | あり |
メリット・デメリット
✅ メリット:
圧倒的なコストパフォーマンス:
3枚セットで約1万円と、他のハードウェアウォレットの約半額です。1枚あたり約3,300円という計算になります。
バッテリー不要で25年以上の長寿命:
NFC通信を使うため、充電や電池交換が一切不要です。製品寿命は25年以上とされており、買い替えコストがかかりません。10年間のトータルコストで比較すると、最も経済的な選択肢です。
3枚組でバックアップが簡単:
リカバリーフレーズを紙に書き留める必要がありません。3枚のカードが互いにバックアップになる仕組みのため、1枚を紛失・破損しても残り2枚で資産にアクセスできます。この仕組みは初心者にとって非常にシンプルで安心感があります。
超高速の接続:
スマホにかざすだけで瞬時に接続できます。Bluetooth接続のように「ペアリング」や「充電残量の確認」といった手間がありません。約2分で初期設定が完了する操作の簡単さも高評価です。
コンパクトで携帯性抜群:
財布に入るサイズで、持ち運びに便利です。Apple製品のような洗練されたデザインも魅力の一つです。
❌ デメリット:
ディスプレイがない(盲目認証):
カード本体にディスプレイがないため、送金先アドレスの確認はスマホアプリで行います。スマホ側のセキュリティ管理(顔認証、指紋認証など)が非常に重要になります。
NFTの直接管理に制限:
NFTを扱う場合、OpenSeaなどのマーケットプレイスやDEX(分散型取引所)を経由する必要があります。Ledger製品のように、デバイス上で直接NFTを管理する機能はありません。
マイナーなアルトコインへの対応:
ビットコイン、イーサリアムなど主要通貨には対応していますが、非常にマイナーなアルトコインの一部は非対応の場合があります。
💰 評価:
- コストパフォーマンス:
- 使いやすさ:
- セキュリティ:
- 総合評価:
こんな人におすすめ
初期費用とランニングコストを抑えたい人、リカバリーフレーズの管理が不安な人、スマホでの操作に抵抗がない人、ビットコインやイーサリアムなど主要通貨を中心に保有している人に最適です。
実際のユーザーからは「庶民派の決定版」「コスパ最強」という評価が多く、初めてのハードウェアウォレットとして非常に人気があります。
定番・初心者向け|Ledger Nano S Plus
特徴と価格
Ledger Nano S Plusは、フランスのLedger社が提供する最も人気のあるハードウェアウォレットです。価格と機能のバランスが優れており、初心者から上級者まで幅広く支持されています。
🔐 基本情報:
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 価格 | 約13,000円 |
| 形状 | USBメモリ型 |
| 接続方式 | USB Type-C |
| バッテリー | 不要(USB給電) |
| 製品寿命 | 10年以上 |
| 対応通貨 | 5,500種類以上 |
| ディスプレイ | あり(モノクロ) |
| 専用アプリ | Ledger Live |
メリット・デメリット
✅ メリット:
5,500種類以上の暗号資産に対応:
ビットコイン、イーサリアムはもちろん、NFTやDeFiトークンにも幅広く対応しています。マイナーなアルトコインも扱える柔軟性があります。
バッテリー不要で長寿命:
USB給電のため、バッテリー劣化の心配がありません。充電管理も不要で、10年以上使い続けられます。
ディスプレイ搭載で安心:
本体に画面があるため、送金先アドレスや取引内容をデバイス上で確認できます。フィッシング詐欺対策として有効です。
世界中で最も使われている:
Ledgerは世界で600万人以上のユーザーを持ち、信頼性が高いブランドです。情報やサポートが充実しており、初心者でも安心して使えます。
NFTやDeFiにも対応:
専用アプリ「Ledger Live」を使って、NFTの管理、ステーキング、DeFiプロトコルへのアクセスが可能です。
❌ デメリット:
スマホでは使いにくい:
USB接続のため、スマートフォンと連携する場合は別途アダプターが必要です。外出先での利用には向いていません。
リカバリーフレーズの管理が必要:
24個の英単語を紙に書き留め、安全に保管する必要があります。これを紛失すると、デバイスが壊れた際に資産を失います。
操作に慣れが必要:
2つの物理ボタンで操作するため、スマホのタッチ操作に慣れている人には最初は使いにくく感じるかもしれません。
💰 評価:
- コストパフォーマンス:
- 使いやすさ:
- セキュリティ:
- 総合評価:
こんな人におすすめ
パソコンで仮想通貨を管理したい人、多種類の暗号資産を保有している人、NFTやDeFiにも興味がある人、信頼性の高い定番製品を使いたい人に最適です。
価格と機能のバランスが優れているため、「初めてのハードウェアウォレット」として最もおすすめされる製品の一つです。
多機能・上位機種|Ledger Flex
特徴と価格
Ledger Flexは、2024年に発売されたLedger社の最新フラッグシップモデルです。大型のEインクタッチスクリーンとNFC接続を搭載し、従来モデルの弱点を克服した製品です。
📱 基本情報:
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 価格 | 約43,000円 |
| 形状 | カード型(やや厚め) |
| 接続方式 | NFC + USB Type-C |
| バッテリー | あり(充電式) |
| バッテリー寿命 | 3〜5年 |
| 対応通貨 | 5,500種類以上 |
| ディスプレイ | Eインク(タッチスクリーン) |
| 専用アプリ | Ledger Live |
メリット・デメリット
✅ メリット:
NFC接続で圧倒的な利便性:
スマホにかざすだけで瞬時に接続できます。従来のBluetooth接続やUSB接続の手間が一切なく、Tangemの利便性とLedgerの多機能性を両立しています。実際のユーザーからは「Ledger製品で間違いなく一番いい」と高く評価されています。
大型タッチスクリーンで操作性抜群:
3.7インチのEインクディスプレイを搭載し、スマホのような直感的な操作が可能です。PINコード入力やアドレス確認が非常に簡単になりました。
Eインクで目に優しく省電力:
電子ペーパー(Eインク)を使用しているため、目が疲れにくく、消費電力も極めて少なくなっています。
最も幅広い暗号資産に対応:
5,500種類以上の暗号資産、NFT、DeFi、ステーキングなど、あらゆる機能に対応しています。
❌ デメリット:
価格が非常に高い:
本体価格が約4.3万円と、他のハードウェアウォレットの2〜4倍です。初心者には手が出しにくい価格帯です。
バッテリー寿命による買い替え:
内蔵バッテリーの寿命は3〜5年で、交換できません。10年使う場合、2〜3回の買い替えが必要になり、トータルコストは10万円近くになる可能性があります。
充電管理が必要:
バッテリー搭載のため、定期的な充電が必要です。長期間使わない場合、バッテリーが完全放電して故障する可能性があります。
💰 評価:
- コストパフォーマンス:
- 使いやすさ:
- セキュリティ:
- 総合評価:
こんな人におすすめ
コストを気にせず最高の使い勝手を求める人、NFTや多様なアルトコインを積極的に管理したい上級者、スマホとの連携を重視する人に最適です。
実際のユーザーからは「多機能で使いやすい」と高評価ですが、「バッテリー寿命による買い替えコストが高い」という指摘もあります。
オープンソース|Trezor Safe 3
特徴と価格
Trezor Safe 3は、チェコのTREZOR社が提供するオープンソースのハードウェアウォレットです。透明性を重視する人に支持されており、Ledgerと並ぶ老舗ブランドです。
🔓 基本情報:
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 価格 | 約15,000円 |
| 形状 | USBメモリ型 |
| 接続方式 | USB Type-C |
| バッテリー | 不要(USB給電) |
| 製品寿命 | 10年以上 |
| 対応通貨 | 数百種類 |
| ディスプレイ | あり(カラー) |
| 専用アプリ | Trezor Suite |
メリット・デメリット
✅ メリット:
完全オープンソース:
ファームウェアとソフトウェアがすべてオープンソースとして公開されています。第三者による監査が可能で、バックドアがないことが証明されています。透明性を重視する人にとって、これは大きな安心材料です。
独立監査を受けた高いセキュリティ:
定期的に第三者機関による監査を受けており、セキュリティの信頼性が高いです。
NEM(XEM)など独自の対応通貨:
Ledgerでは扱えない一部の暗号資産(NEM/XEMなど)に対応しています。特定の通貨を保有している人には貴重な選択肢です。
❌ デメリット:
対応通貨数が少ない:
Ledgerの5,500種類と比較すると、対応通貨は数百種類程度です。マイナーなアルトコインには対応していない場合があります。
スマホでは使いにくい:
USB接続のため、スマートフォンとの連携には別途アダプターが必要です。
💰 評価:
- コストパフォーマンス:
- 使いやすさ:
- セキュリティ:
- 総合評価:
こんな人におすすめ
オープンソースの透明性を重視する人、Ledgerの代替品を探している人、NEMなど特定の通貨を保有している人、セキュリティ監査を受けた製品を使いたい人に最適です。
モバイル特化|Ledger Nano X
特徴と価格
Ledger Nano Xは、Bluetooth接続に対応したLedgerの中級モデルです。スマートフォンとの連携を重視した設計で、外出先での使用に便利です。
📲 基本情報:
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 価格 | 約25,000円 |
| 形状 | USBメモリ型 |
| 接続方式 | Bluetooth + USB Type-C |
| バッテリー | あり(充電式) |
| バッテリー寿命 | 3〜5年 |
| 対応通貨 | 5,500種類以上 |
| ディスプレイ | あり(モノクロ) |
メリット・デメリット
✅ メリット:
Bluetooth対応でスマホと連携:
ケーブル不要でスマートフォンと接続できます。外出先でも仮想通貨の送受信が可能です。
5,500種類以上の暗号資産に対応:
Ledger Nano S Plusと同じく、幅広い暗号資産に対応しています。NFTやDeFiも利用可能です。
歴史と信頼性:
Ledgerの前身モデルから約10年の歴史があり、世界中で最も使われているハードウェアウォレットの一つです。
❌ デメリット:
バッテリー寿命が3〜5年:
内蔵リチウムイオンバッテリーは交換できず、寿命が来たら買い替えが必要です。10年使う場合、2〜3回の買い替えで5〜7.5万円のトータルコストがかかります。
Ledger Flexの登場で立ち位置が微妙:
2024年に発売されたLedger FlexはNFC接続に対応し、さらに使いやすくなっています。Nano Xの優位性が薄れつつあります。
💰 評価:
- コストパフォーマンス:
- 使いやすさ:
- セキュリティ:
- 総合評価:
こんな人におすすめ
外出先でスマホと連携して使いたい人、Bluetooth接続の利便性を重視する人に適しています。
ただし、Bluetooth対応でもLedger Flexのほうが使いやすく、コスパを重視するならLedger Nano S PlusやTangemのほうが経済的です。
エアギャップ方式|SafePal S1
特徴と価格
SafePal S1は、大手取引所バイナンスが出資するSafePal社が開発したハードウェアウォレットです。完全オフラインのエアギャップ方式を採用し、最高レベルのセキュリティを実現しています。
🔐 基本情報:
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 価格 | 約7,000円(50ドル未満) |
| 形状 | 小型デバイス(スマホサイズ) |
| 接続方式 | QRコード(完全エアギャップ) |
| バッテリー | あり(充電式) |
| 対応通貨 | 数千種類 |
| ディスプレイ | あり(カラー) |
メリット・デメリット
✅ メリット:
完全エアギャップで最高のセキュリティ:
Bluetooth、Wi-Fi、NFCなどの無線通信機能が一切搭載されていません。スマホアプリとの通信はQRコードのみで行うため、リモート攻撃のリスクが完全に排除されています。
価格が安い:
50ドル未満(約7,000円)と、高機能ながら手頃な価格です。初心者でも手が出しやすい価格帯です。
カメラ搭載でQRコード読み取り:
デバイス本体にカメラが搭載されており、スマホアプリが表示するQRコードを読み込んで通信します。
日本語対応:
SafePalアプリは日本語表示に対応しており、日本人ユーザーにとって使いやすい設計です。
❌ デメリット:
操作に手間がかかる:
QRコードを介した通信は、BluetoothやNFCと比較すると手間がかかります。頻繁に取引する人には向いていません。
バッテリー寿命が不明:
充電式バッテリーを搭載していますが、寿命については公式情報が少なく、長期的なコストが読めません。
知名度が低い:
LedgerやTrezorと比較すると、日本での知名度が低く、情報やコミュニティが少ないです。
💰 評価:
- コストパフォーマンス:
- 使いやすさ:
- セキュリティ:
- 総合評価:
こんな人におすすめ
セキュリティを最重視する人、バイナンスチェーンのトークンを多く保有している人、エアギャップ方式に興味がある人、低価格で高機能な製品を探している人に適しています。
操作の手間を許容できるなら、コストとセキュリティのバランスが優れた製品です。
用途別・予算別の選び方まとめ
🎯 用途・予算別おすすめ:
| 用途・優先事項 | おすすめ製品 | 価格 | 理由 |
|---|---|---|---|
| コスパ最重視 | Tangem(3枚組) | 約1万円 | 初期費用・ランニングコスト共に最安 |
| 初心者・定番 | Ledger Nano S Plus | 約1.3万円 | 価格と機能のバランス◎、情報豊富 |
| 多機能・上級者 | Ledger Flex | 約4.3万円 | 最高の使い勝手、NFT・DeFi対応 |
| セキュリティ最重視 | SafePal S1 | 約7,000円 | 完全エアギャップ方式 |
| オープンソース | Trezor Safe 3 | 約1.5万円 | 透明性が高く、独立監査済み |
| スマホ連携 | Tangem または Ledger Flex | 1万円 / 4.3万円 | NFCでかざすだけの手軽さ |
| 長期保有 | Tangem または Ledger Nano S Plus | 1万円 / 1.3万円 | バッテリー不要で長寿命 |
💡 選び方のポイント:
1万円以下の予算:
Tangemが唯一の選択肢です。3枚組で1万円、バッテリー不要、25年寿命というコスパの高さは圧倒的です。
1〜2万円の予算:
Ledger Nano S Plus(約1.3万円)が最もバランスが良く、初心者におすすめです。Trezor Safe 3(約1.5万円)は、オープンソースを重視する人に適しています。
3万円以上の予算:
Ledger Flex(約4.3万円)は、使い勝手が最高ですが、バッテリー寿命による買い替えコストを考慮する必要があります。予算に余裕があり、最高の体験を求める人向けです。
長期保有の場合:
バッテリー不要のTangemまたはLedger Nano S Plusがおすすめです。10年間のトータルコストが最も安くなります。
頻繁に取引する場合:
ホットウォレット(MetaMaskなど)と併用し、ハードウェアウォレットは長期保管用と割り切るのが現実的です。
ハードウェアウォレットどこで買う?購入方法と注意点

公式サイト・正規代理店から購入すべき理由
ハードウェアウォレットは、必ず公式サイトまたは正規代理店から新品を購入してください。これは資産を守るための最も重要なルールです。
🚨 非正規品・改造品のリスク:
ハードウェアウォレットは、購入時点で既に改造されている可能性があります:
- 秘密鍵を盗むマルウェアがプリインストールされている
- リカバリーフレーズが事前に生成され、販売者に記録されている
- ファームウェアが改ざんされ、資産が盗まれる仕掛けがある
実際に、中古品や非正規販売店から購入したハードウェアウォレットで資産を失った事例が報告されています。
✅ 安全な購入ルート:
各メーカーの公式サイト:
- Ledger:https://www.ledger.com/
- Trezor:https://trezor.io/
- Tangem:https://tangem.com/
- SafePal:https://www.safepal.com/
公式が認定する正規代理店から購入してください。
🛡️ 公式購入の確認方法:
パッケージに封緘シール(開封防止シール)があることを確認します。シールが破れている、または再貼付の痕跡がある場合は使用を中止してください。
ヨドバシカメラ・ビックカメラでの購入
日本国内の大手家電量販店でも、一部のハードウェアウォレットを購入できます。
🏪 取り扱い状況:
ヨドバシカメラ:
Ledger製品(Ledger Nano Sなど)を取り扱っています。店舗とオンライン(ヨドバシ.com)の両方で購入可能です。
ビックカメラ:
一部店舗で取り扱いがありますが、在庫状況は店舗によって異なります。事前に在庫確認をおすすめします。
✅ 家電量販店で購入するメリット:
実物を確認できる、ポイント還元(10%前後)、即日入手可能という利点があります。
⚠️ 注意点:
在庫が限られており、最新モデル(Ledger Flexなど)は取り扱っていない場合があります。また、Tangemなど一部のブランドは家電量販店では販売されていません。
パッケージの開封跡がないか、封緘シールが破れていないか、必ず確認してください。
Amazonでの購入時の注意点
Amazonでハードウェアウォレットを購入する場合、販売者が公式であることを必ず確認してください。
⚠️ Amazonでのリスク:
Amazonには複数の販売者が出品しており、中には非正規品や中古品を販売する悪質な業者も存在します:
- 「ほぼ新品」「開封品」として中古品が販売されている
- 並行輸入品として改造品が出品されている
- 価格が安すぎる商品は詐欺の可能性が高い
✅ 安全な購入方法:
販売者名を確認:
- 販売元が「Ledger Japan」「Trezor」など公式であることを確認
- 「発送元:Amazon.co.jp」「販売元:Amazon.co.jp」は比較的安全
レビューを確認:
- 低評価レビューに「詐欺」「資産が盗まれた」などの記載がないか確認
- レビュー数が極端に少ない商品は避ける
価格をチェック:
- 公式サイトより大幅に安い商品は疑う
- 定価よりも高額な転売品にも注意
🛡️ 最も安全な方法:
可能であれば、Amazonではなく公式サイトから直接購入することをおすすめします。数千円の価格差よりも、資産の安全性を優先すべきです。
絶対に避けるべき購入方法
中古品・メルカリは危険
ハードウェアウォレットの中古品購入は、絶対に避けてください。これは資産を失うリスクが極めて高い行為です。
🚫 中古品のリスク:
前の所有者がリカバリーフレーズを記録している可能性:
- 中古品を販売した人が、リカバリーフレーズを控えている
- 購入者が資産を入れた後、前の所有者が資産を盗む
- 数ヶ月後に突然資産が消える事例が報告されている
改造・マルウェア:
- デバイス内部が改造され、秘密鍵が外部に送信される
- 正常に見えても、内部で不正なプログラムが動いている
⚠️ メルカリ・ヤフオクでの購入は厳禁:
「未開封品」「新品同様」という説明でも、絶対に購入しないでください。封緘シールは偽造可能であり、開封の痕跡がなくても改造されている可能性があります。
数千円を節約するために、数百万円の資産を失うリスクを取る価値はありません。
非正規販売店のリスク
公式が認定していない販売店からの購入も危険です。偽物・コピー品・改造品が混入している可能性があります。
購入前に、メーカーの公式サイトで正規代理店リストを確認してください。
日本製のハードウェアウォレットについて
日本製のハードウェアウォレットは、現時点ではほぼ存在しません。ハードウェアウォレット市場は、欧米企業(Ledger、Trezorなど)が主流です。
🇯🇵 日本関連の製品:
Mirrored Body Hardware Wallet:
メディアアーティスト落合陽一氏がデザインした、2025年大阪・関西万博の限定ハードウェアウォレットです:
- 万博シグネチャーパビリオン「null²」で販売
- カード型、NFC対応
- 暗号資産だけでなく、デジタルID(Mirrored Body)の管理にも対応
- 製造は海外企業(Composecure社のArculus)
ただし、これは量産品というよりも、万博限定のプレミアム商品です。一般的なハードウェアウォレットとしては、海外製品が主流となっています。
🌍 海外製品が主流の理由:
ハードウェアウォレットは、高度なセキュリティチップ(EAL5+認証など)や専門的な暗号技術が必要です。LedgerやTrezorは、10年以上の開発実績と世界中のユーザーからのフィードバックを蓄積しており、信頼性が確立されています。
現時点では、日本製にこだわるよりも、実績のある海外製品を選ぶことをおすすめします。
ハードウェアウォレットの使い方|初期設定から送金まで
初期設定の手順
ハードウェアウォレットを購入したら、以下の手順で初期設定を行います。製品によって細かい手順は異なりますが、基本的な流れは共通しています。
📝 初期設定の基本手順:
封緘シールが破れていないか確認します。開封の痕跡がある場合、使用を中止して販売元に連絡してください。
パソコンまたはスマートフォンにデバイスを接続します:
- USB接続:USBケーブルでパソコンに接続
- Bluetooth接続:デバイスの電源を入れ、スマホとペアリング
- NFC接続:スマホにかざすだけで自動接続
各メーカーの公式アプリをダウンロードします:
- Ledger:Ledger Live(パソコン・スマホ)
- Trezor:Trezor Suite(パソコン・スマホ)
- Tangem:Tangemアプリ(スマホ)
- SafePal:SafePalアプリ(スマホ)
公式サイトまたは公式アプリストアからダウンロードしてください。
「新しいウォレットを作成」を選択します。「既存のウォレットを復元」は、すでにリカバリーフレーズを持っている場合のみ使用します。
デバイスを保護するため、4〜8桁のPINコードを設定します。このコードは他人に知られないよう、厳重に管理してください。
デバイスが12〜24個の英単語(リカバリーフレーズ)を生成します。この単語は絶対に紙に書き留めてください。
デバイスが、書き留めたリカバリーフレーズの一部を確認します。正しく記録できているか、この時点で必ず確認してください。
⏱️ 所要時間:
Tangem約2分、Ledger・Trezor約10〜15分、初めての人約30分(リカバリーフレーズの記録を含む)
リカバリーフレーズの保管方法
リカバリーフレーズ(シードフレーズ)は、ハードウェアウォレットが故障・紛失した場合に資産を復元するための唯一の手段です。適切に保管しないと、資産を永久に失う可能性があります。
🔐 リカバリーフレーズの重要性:
リカバリーフレーズを持つ人は、資産に完全にアクセスできます。つまり:
- これを紛失すると、デバイスが壊れた時に資産を失う
- これを他人に知られると、資産を盗まれる
- これが破損・劣化すると、復元できなくなる
📝 安全な保管方法:
紙に手書きで記録:
付属のリカバリーシート(紙)に、丁寧に書き留めます。単語のスペルミス、順番を間違えないように注意してください。
金庫や防火金庫に保管:
火災や水害から守るため、耐火・防水性のある金庫に保管します。銀行の貸金庫を利用するのも有効です。
金属製バックアッププレートの利用:
紙は劣化や火災に弱いため、金属製のバックアッププレート(Cryptosteel、Billfodlなど、価格約5,000円〜15,000円)を使う方法もあります。
分散保管:
リカバリーフレーズを2〜3枚コピーし、別々の場所に保管します(自宅の金庫、実家、銀行の貸金庫)。
❌ 絶対にやってはいけないこと:
デジタル保存(スマホのメモアプリ、パソコンのテキストファイル、クラウドストレージ、スクリーンショット)、他人に見せる・教えることは避けてください。
💡 Tangemの場合:
Tangemは、リカバリーフレーズを使わず、3枚のカード自体がバックアップになります。そのため、紙に書き留める手間がなく、初心者にとってはシンプルで安心です。
仮想通貨の送金方法
ハードウェアウォレットへの送金、およびハードウェアウォレットからの送金方法を解説します。
📤 取引所からハードウェアウォレットへの送金:
専用アプリを開き、受け取りたい暗号資産(例:ビットコイン)のウォレットアドレスをコピーします。
取引所(Coincheck、bitFlyerなど)にログインし、「出金」または「送金」を選択します。
ハードウェアウォレットのアドレスを貼り付けます。アドレスは必ずコピー&ペーストし、手入力は避けてください。
送金する金額を入力します。初めての送金は、少額(例:0.001 BTC)でテストすることをおすすめします。
取引所の二段階認証を行い、送金を実行します。ブロックチェーンの承認には数分〜数時間かかります。
専用アプリで残高を確認し、正しく着金しているか確認します。
💸 ハードウェアウォレットから送金:
ハードウェアウォレットをパソコンまたはスマホに接続します。
専用アプリで「送金」を選択し、送金先のアドレスと金額を入力します。
ハードウェアウォレット本体の画面で、送金先アドレスと金額を確認します。間違いがなければ、デバイスのボタンを押して承認します。
署名されたトランザクションがブロックチェーンに送信されます。
⚠️ 送金時の注意点:
送金先アドレスの確認、ネットワーク手数料(ガス代)の確認、テスト送金(初めての送金先には少額で確認)を忘れないでください。
メタマスクとの連携
ハードウェアウォレットをMetaMask(メタマスク)と連携させることで、DeFiやNFTマーケットプレイスを安全に利用できます。
🦊 MetaMaskとハードウェアウォレットの連携手順:
ブラウザ拡張機能またはスマホアプリとして、MetaMaskをインストールします。
MetaMaskを開き、右上のアカウントアイコンをクリックします。「ハードウェアウォレットを接続」を選択します。
Ledger、Trezorなど、使用しているデバイスを選択します。
ハードウェアウォレット本体で、MetaMaskとの接続を承認します。
複数のアカウントが表示されるので、使用したいアカウントを選択します。
MetaMask上で、ハードウェアウォレットのアドレスが表示されます。これでDeFiやNFTマーケットプレイスにアクセスできます。
✅ 連携のメリット:
MetaMaskの利便性と、ハードウェアウォレットのセキュリティを両立できます。フィッシングサイトで秘密鍵を入力するリスクがありません。
⚠️ 注意点:
トランザクションごとにデバイスの承認が必要なため、頻繁に取引する場合は手間がかかります。少額の取引用にホットウォレットと使い分けるのが現実的です。
壊れた・紛失した場合の対処法
ハードウェアウォレットが壊れたり、紛失したりしても、リカバリーフレーズがあれば資産を復元できます。
🛠️ デバイスが壊れた場合:
同じメーカーの製品を新たに購入します。異なるメーカーでも、BIP39規格に対応していれば復元可能です。
初期設定で「既存のウォレットを復元」を選びます。
保管していたリカバリーフレーズを、順番通りに入力します。
資産が元通り復元されます。ウォレットアドレスも以前と同じものになります。
📱 デバイスを紛失した場合:
デバイス本体にPINコードがかかっているため、拾った人がすぐに資産にアクセスすることはできません。新しいデバイスで復元し、念のため資産を新しいウォレットに移動することもできます。
⚠️ リカバリーフレーズも紛失した場合:
リカバリーフレーズを紛失し、デバイスも壊れた場合、資産は永久に失われます。これは復元不可能です。
🛡️ Tangemの場合:
Tangemは3枚セットのため、1枚を紛失・破損しても、残り2枚で資産にアクセスできます。リカバリーフレーズを紙に書き留める必要がないため、このようなトラブルに強い設計です。
ハードウェアウォレットのよくある質問|税金・iPhoneなど
- ハードウェアウォレットに送金すると税金が発生しますか?
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いいえ、送金自体では税金は発生しません。単なる資産の移動であり、売却や交換ではないためです。課税されるのは、暗号資産を日本円に換金したとき、商品購入に使ったとき、別の暗号資産に交換したときです。
- iPhoneでも使えますか?
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はい、多くの製品が対応しています。TangemとLedger FlexはNFC接続、Ledger Nano XはBluetooth接続でiPhoneと簡単に連携できます。USB接続のLedger Nano S PlusやTrezorは、変換アダプタが必要です。
- 対応している仮想通貨の種類は?
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Ledger製品は5,500種類以上、その他の製品も数百〜数千種類の暗号資産に対応しています。ビットコイン、イーサリアム、リップルなど主要通貨はほぼすべての製品で使えます。購入前に公式サイトで対応通貨を確認してください。
- リカバリーフレーズを忘れたらどうなりますか?
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リカバリーフレーズとデバイスの両方を失うと、資産は永久に失われます。デバイスが正常なら使い続けられますが、壊れたときに復元できません。Ledger Recoverなど有料サービス(年間約1.6万円)もありますが、事前登録が必要です。Tangemは3枚セットで、カード自体がバックアップになるため管理が簡単です。
- バッテリーが切れたら資産はどうなりますか?
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資産は失われません。充電すれば再び使えます。資産はブロックチェーン上にあり、ハードウェアウォレットは秘密鍵を保管するだけです。バッテリー劣化で買い替えが必要になっても、リカバリーフレーズで復元できます。TangemやLedger Nano S Plusはバッテリー不要です。
- 複数のハードウェアウォレットを使い分けるべきですか?
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資産額や用途によって、複数持ちは有効です。バックアップ用に2台目を用意する、高額資産は長期保管用(Tangem)、少額取引はホットウォレット、NFT管理はLedger Flexと使い分けるなど、リスク分散ができます。
- DeFiやNFTにも使えますか?
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はい、多くの製品がMetaMaskと連携でき、UniswapやAaveなどのDeFiプロトコルを利用できます。LedgerはNFTを直接管理可能で、OpenSeaとも連携しています。ただし、トランザクションごとにデバイス承認が必要なため、頻繁な取引には向きません。
- セキュリティ面で最も重要なことは?
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リカバリーフレーズの厳重な管理です。必ず公式サイトから購入し、リカバリーフレーズは紙に書いて金庫に保管してください。デジタル保存(スマホ、クラウド)は厳禁です。フィッシング詐欺にも注意し、送金前は必ずアドレスを確認しましょう。
まとめ
ハードウェアウォレットは、暗号資産を安全に管理するための最も確実な方法です。
💡 製品選びのポイント:
初心者・コスパ重視ならTangem(約1万円)またはLedger Nano S Plus(約1.3万円)、多機能を求めるならLedger Flex(約4.3万円)、セキュリティ最重視ならSafePal S1(約7,000円)やTrezor Safe 3(約1.5万円)がおすすめです。
🚨 必ず守るべきこと:
公式サイトまたは正規代理店から新品を購入し、リカバリーフレーズを紙に書き留めて金庫に保管してください。中古品購入とデジタル保存は厳禁です。適切な製品選択と正しい管理で、大切な資産を長期にわたって安全に保護できます。


