ホテル暮らし・ウィークリーマンションで住民票の登録はできるのか役所に聞いてきた

ホテル暮らし・ウィークリーマンションで住民票の登録はできるのか

ホテル暮らしを検討する時に疑問になる「住民票問題」について。

一般人が実際にホテル暮らしをしようとした場合にどうするのかという情報はなかなかありません。

行政的に住民票の登録に関するルールはどうなっているのか、解決策としてどんなやり方が考えられるかを調べてまとめます。

目次

住民票登録の必要性

転居届(転出届・転入届)は必要?

そもそもなんで住民票なんて面倒くさいものがあるのかと思うのですが、大元までたどると法的に義務づけされているようです。

総務省が文章として出しています。

住民基本台帳は、氏名、生年月日、性別、住所などが記載された住民票を編成したもので、住民の方々に関する事務処理の基礎となるものです。
住民基本台帳の閲覧や住民票の写しの交付などにより、住民の方々の居住関係を公証するとともに、以下に掲げる事務処理のために利用されています。

  • 選挙人名簿への登録
  • 国民健康保険、後期高齢者医療、介護保険、国民年金の被保険者の資格の確認
  • 児童手当の受給資格の確認
  • 学齢簿の作成
  • 生活保護及び予防接種に関する事務
  • 印鑑登録に関する事務

引用 総務省トップ > 政策 > 地方行財政 > 住民基本台帳等

お国が国民を管理して時代にそぐわない事務処理なるものを行うために、国民にしっかり登録することを義務付けている的なやつです。

とりあえず、法律には逆らえないので住民基本台帳(住民票)の登録は必要なのです。

また、保険だったり各種国・役所が関連する制度はこの住民票ありきで施行されるので、現時点のルールではどうしても住民票をどこかに置く必要があります。

生活の拠点が変わったら転居届(転出・転入届)が必要

住所が変更になった場合は住民票の住所変更をすることが義務付けられています。

正当な理由がなく届出をしない場合、5万円以下の過料に処されることがあるようです

住所変更のルールは以下。

他の市区町村に転出・転入する場合
引越前の市区町村で [転出前に]
転出届を提出して転出証明書を受け取る
引越先の市区町村で [転入した日から14日以内に]
転出証明書を添えて転入届を提出
同一の市区町村内で転居する場合
住民票のある市区町村で [転居した日から14日以内に]
転居届を提出

とりあえず、引っ越し前に転出証明をもらって、転居先で14日以内に転入届を提出。

で、問題点は同じ場所に定住することが前提のルールになっていることですね。

たぶん畑や田んぼで農業をして生活している人(定住者)を前提として作られた制度から変更されていないわけです。

まぁ、ルール作りと変更がアレなのはお役所仕事のお約束なので、時代にそぐわないルールの中で自分たちでうまいやり方を考えるしかありません。

「生活の拠点」の定義がない

生活の本拠(拠点)が変わったら住所を変えなければいけませんが、「生活の拠点」が定義されていないのでホテルを転々とする場合に住民票を移す義務があるのかどうかの判断ができません。

じゃあどう判断すればいいか?と考えるのですが、これが答えが無いんですよね。

一定の期間〜みたいな言い方をしても、具体的に何日と決まっていませんし、決めようがありません。

過去に税金をどこに払うかという問題で「生活の拠点がどこだっか」について論争された事例があるようです。

しかし、それは最終的に「裁判所がどう判断するか」です。

ですので、このラインを守っていればOKとかこれはアウトという判断基準はありません

時代の変化に法律がついていっていないので、いろいろ総合的に考えて裁判官が出した結論が答えになってしまうのが現状です。

つまり、なにか大問題になって裁判にならないと答えが作られないのが実状です。

ホテルやウィークリーマンションに住民票を置けるのか

ホテル・ウィークリーマンションの規約的には?

いくつかのホテルの宿泊約款を見てみましたが、いずれも住民票に関しての記述は見当たりませんでした。

つまり、住民票を置くことを許可も拒否もしていません

これはビジネスホテルでも高級ホテルでも旅館でも同じですね。

よくよく考えれば、普通の2年契約の賃貸であっても管理会社や物件オーナーに許可をとってから住民票を移動させるわけではありません。

住民票は、あくまでも行政側が「生活の拠点となる定住場所の住所を知らせろ」と言っているだけで、建物がどうこうは関係無いわけです。

ですので、住民票の住所はホテルの住所で登録することが可能です。可能か不可能かで言えば。

ただ、ウィークリーマンション・マンスリーマンションにおいては住民票の移動を許可していない物件もあるようです。

とはいえ、住所が変わったら住民票を移すルールになっているので移せないことはないですし、物理的には可能です。

もし、住民票を置くのが禁止されているところで住民票を置いたことがバレたときは、強制退去などの措置がとられる可能性はあります。

行政からの荷物・郵便物はホテルで受け取れるのか

住民票のルール的に、ホテルの住所に設定することは可能ですが、現実問題としてそれが実現可能かどうかは「お役所からの連絡を受け取れるかどうか」です。

一般的にホテルなどの宿泊施設にて郵便物や荷物を受取るときは「フロント気付」を使用します。

〒○○-○○
住所〜 フロント気付 [自分の名前]

これで届きます。

例えば、ホテルにAmazonで注文したものを届けたい場合などですね。

一部、フロント気付(フロントでの預かり)に対応していないホテルもありますので、特に安くてサポートが薄めのホテルの場合は確認した方がいいかもしれません。

役所に住民票について聞いてみた

実際に役所に行って、担当の方にいろいろ聞いてみました。

  1. 新人さんぽいお姉さん
  2. その教育係っぽいお姉様
  3. 奥から出てきた住所関連の専門のお兄さん

と、3人も引っ張り出して話を聞きましたすみませんありがとうございます。

Q:ホテルやウィークリーマンションに住民票の住所は置いていいのか

行政としては居住している場所であれば、住民票を置いてはいけない場所は定めていないので可能とのこと。

ただし、役所からの郵便物がその住所宛てに発送されるので、それを受け取れるのかどうかが問題。

Q:じゃあ郵便物を受け取れるのであればどこでもいいの?例えば、月極駐車場にキャンピングカーを置いてる場合など。

判断が難しい。

実際にその場所に居住実績が認められたら可能。

事例ごと個別の判断になる。

Q:実際に、車中生活など定住場所が無い人の事例はある?

車で生活している人や、家が無い人で住民票の住所が登録できていない人はいる。

住所を登録できないケースはあるが、その場合は税金も払えないし、行政サービスは受けられない。

Q:居住実績の定義や、生活の本拠と判断する基準は?

市区町村によって異なる。

住民票を登録するという大まかな基準は国で決まっているが、その先は各市区町村のやり方。

ホテルでも問題なく受理する地域もあれば、ホテルは生活の本拠とは認められない市区町村もある。

Q:転入届提出時に住所がチェックされるということ?

これも市区町村によってやり方が変わる。

住所を見て受理しないところもあれば、郵便物が届かないなど何かしら問題が起きない限りは確認しない場所もある。

何かあって、行政が登録住所へ伺ったときに初めて居住実績が無いことを確認することもある。

Q:実際に住んでいない実家や賃貸に住所を置いておき、自分の体はホテルなどを転々としているのは問題ないか

郵便物の受け取りや、税金の支払いなどができるのであればあれば問題ない。

Q:レンタルオフィスなど、生活する設備ではないが、郵便物の受け取りは問題ないところに住所を置いても良いか

可能だとは思うが、市区町村ごとで判断が変わるので、事例ごとに個別に相談してもらう形になる。

行政としては、可能は範囲で希望にそう形で処理できるようには動く。

Q:市区町村ごとに判断基準が異なるということだが、その基準などは公開されているか

書面・ホームページなどで公開はされていないはず。

その都度、直接相談していただくようになる。

ということでした!

ホテルに住民票置いても問題ないような情報が多く見られましたが、結論としては「市区町村によって判断が変わる」です。

ホテルノマドの住民票問題の解決策

現時点でホテル暮らしを実現するとした場合、どういったやり方が現実的なのか。

たとえば、半年〜などある程度の期間ホテルに滞在する場合は住民票を登録してしまってもいいとおもいます。

ただ、その地域においてホテルの住所が受理されるかどうかは、その地区町村の判断になります。

明確な線引がないため、滞在する期間なども考慮して判断されます。

例えば、3ヶ月じゃ生活拠点として認められないなど。

「じゃあ1年なら?」→「それなら受理します。」となるかもしれません。

逆に、2週間とか1ヶ月とか短めのスパンでホテルを変える場合は受理されづらいでしょう。

まぁ、転入届を提出するときに滞在期間を伝える必要はありませんので、聞かれないまま受理される可能性も十分ありますが。

ただ、短いスパンでいちいち役所に出向いて手続きをするのは現実的ではありませんし、シンプルに面倒です。

短期間で場所を変える予定があるのであれば、やはり別に定住場所(仮)を用意して、そこに住所を起きっぱなしするのが楽ですし現実的だろうなと思います。

僕としては、関東圏など動きやすい場所でできるだけ安めの物件を借りて、そこに住民票を置いておく作戦が理想です。

小さくてもいいので5万円以内くらいの安い部屋を借りておいて住民票登録。

ただ、そこには家電や家具などもおかずに、ほぼ倉庫代わり&郵便物受け取り用物件みたいな。

そうしておけば、自分がいつどこのホテルやウィークリーに滞在してようが問題ありません。

ホテルの住民票まとめ

  • 住民票の住所登録は必要
  • 登録できるのは定住実績が認められる住所
  • その判断は市区町村による

こんな感じです。

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