ノートパソコンに傾斜をつけられるスタンドの選び方について。
ここで言うスタンドはデスクに据え置くタイプではなく、パソコンと一緒に持ち運んで使う用途のもの。MOFTやBluelounge Kickflipが有名ですが、各メーカーから様々な類似品が発表されています。
個人的な結論としては結局『bluelounge Kickflip(キックフリップ)』が一番良い。
有名なガジェット系ユーチューバーやブロガーが新商品のレビューをしているのを見るたび、「いや、Kickflipの方がええやろ」と思っています。
他の製品(Moft・KAZARIKOなど)と比較してなぜKickflipの方が使い勝手がいいのかをまとめます。
Kickflipの特徴|人気パソコンスタンドと比較
Kickflipのメリットは大まかに以下。
- 軽い
- 出し入れが簡単
- 安定性が高い
- 金属製より滑らない
- 2サイズ展開(13インチ用・15インチ用)
これを踏まえて他メーカーの人気スタンドと比較して説明します。
MOFT
薄くて頑丈な紙みたいな素材のスタンド。
ワンサイズしかない
MOFTは15インチまで対応のワンサイズ展開。
スタンドはだいたい13〜15インチのノートパソコンに対応するように作られています。
つまり、小さい方の13インチのパソコンの底面に貼り付けられるサイズで作られているということ。
15インチのパソコンに使うと、スタンドの設置面からパソコンの横幅のはみ出しが大きくなるので安定性が下がります。
Kickflipなら2サイズ展開なので、パソコンにジャストサイズのスタンドを選択できます。
出し入れが少し手間
開いて折り込んでスタンドの形状をつくるようになっています。
MOFT公式の説明だと1秒で展開できると言っていますが、Kickflipなら0.2秒で展開できます。
2段階の高さ調整ができる点はMOFTの勝ち。
接地面積が広くて邪魔
MOFTは設置面が点や線ではなく面です。
それなりに障害物が無くて広いスペースがあるところでの利用に限られます。
まぁ、普通はデスクで使うので問題ないように思えますが、
例えば、デスク上にケーブルがあったり、ボールペンが転がってたりすると、それをどかさないとMOFTは置けません。
Kickflipは設置部分が線なので、多少の障害物は干渉せずに置けます。
カフェの狭いデスクとか、机の上が散らかっている人とかはMOFT使いづらいと思います。
KAZARIKO
ワンサイズしかない
概ね、上(MOFTの説明)に同じ。
KAZARIKOはMOFTより更に小さく、たった14センチの幅しかないスタンドでワンサイズです。
商品 | 横幅サイズ |
---|---|
Kickflip 13 | 23cm |
Kickflip 15 | 28cm |
MOFT | 22.4cm |
KAZARIKO | 14cm |
これどう考えてもKAZARIKOは安定性が悪いでしょう。
使っているときにパソコンの端とか奥に少し加重がかかったらひっくり返りそう。
じゃあなんでKAZARIKOはこんなに幅が小さいか?というとたぶん金属製で重いから。
商品 | 横幅サイズ | 重量 |
---|---|---|
Kickflip 13 | 23cm | 約50g |
Kickflip 15 | 28cm | 約67g |
MOFT | 22.4cm | 約85g |
KAZARIKO | 14cm | 約136g |
一番横幅狭いのに一番重いのがKAZARIKO。
サイズを大きくしたくても、これ以上重くできないからギリギリ小さいサイズで作ってるんだと思います。
出し入れ面倒すぎ
MOFTよりもっとスタンドの出し入れ面倒くさいのがKAZARIKO。
パソコン持ち上げてひっくり返してカチャカチャやらないとスタンドを出せない。
高さ調整したりスタンドを収納するたびにパソコンのフタを閉じてひっくり返さないといけないの?
僕のような短期で面倒くさがりなADHDには無理。
YouTubeのレビュー見るだけでもう面倒くさそう。
ガジェット系ユーチューバーのようにメーカーからお金をもらって懐がほくほくで心に余裕がある人間しか使えないと思う。
JOBSON(ジョブソン)
Kickflipと形状や使い方が一番近い商品で購入候補に上がったけど、やっぱりやめた商品。
ワンサイズしかない
概ね、上に同じ。
商品 | 横幅サイズ |
---|---|
Kickflip 13 | 23cm |
Kickflip 15 | 28cm |
JOBSON | 20cm |
ワンサイズ展開で幅広いサイズのPCに対応させるために、小さい方に合わせて作られている。
横幅が狭いぶん安定性は低くなるし、15〜16インチPCに使うには心細い。
KAZARIKO(14cm)よりはマシ。
小さい割に重い
KAZARIKOと同様、金属製のために重量的にサイズが限定されている側面もあると思う。
商品 | 横幅サイズ | 重量 |
---|---|---|
Kickflip 13 | 23cm | 約50g |
Kickflip 15 | 28cm | 約67g |
JOBSON | 20cm | 約107g |
展開角度が浅いので加重で閉じてしまう
パット見ではKickflipもJOBSONも同じような構造に見えますが、展開時の角度が違います。
JOBSONはロック位置が貼付け面から90℃程度しか開いていないので、タイピング中に奥の方向に力が加わるとパタンと倒れてしまいます。これはストレス。
Kickflipはしっかり90度以上開いてロック位置になるため、どんなに力が加わってもスタンドが倒れることがありません。
この辺は商品を設計する人間のセンスというか、物理構造の理解度の差が出ていると思います。
Kicflipの方がちゃんと実用性を考えて設計されている。
金属製で滑る
口コミなどを見ると結構滑るみたいですね。
Kickflipは素材的に滑らないことはありませんが、金属製のJOBSONよりはマシです。
特に、テカテカしたデスクで使うときや、ノートパソコンを膝に乗せて使うときなんかに差がでるでしょう。
爪2本タイプ
いくつかのメーカーから販売されている爪2本タイプ。
正直悪くないと思います。
小型なので重量も軽いし、出し入れの操作もシンプルです。
ただ、金属製はどうしても滑りやすいので、どんな素材の商品を選ぶか。
僕がこれを選ばなかった理由はパソコンに足を生やすとなんかダサいからです。
ノートパソコンスタンド比較まとめ
色々新商品やおしゃれ商品が出ていてガジェットユーチューバーが絶賛してたりしますが、実用性とかコスパとか考えたら結局Kickflipが一番良いだろうと思っています。
ユーチューバーと違ってPR案件や商品提供をもらっていないので、忖度なしでKickflipを推します。
発売元のトリニティBlueloungeさんは、僕にも商品提供してほしいくらいです。
いや、レビュー動画とか作るの面倒なのでAmazonギフト券がいいです。
Kickflipのデメリットは値段
基本的な使い勝手をみるとKickflipが一番いいと個人的に思っています。
が、それでもKickflipのここが微妙だなと思われるのは商品価格です。
商品 | 価格 |
---|---|
Kickflip 13 | 約3200円 |
Kickflip 15 | 約3500円 |
MOFT | 約2600円 |
KAZARIKO | 約3800円 |
JOBSON | 約2000円 |
あまり安くはありません。KAZARIKOは高すぎ。
いくらいい商品とはいえ、ただパソコンに角度をつけるためだけに3000円台は躊躇する値段です。
しかも、Kickflipは2014年後半くらいからある商品です。僕も2015年から使ってました。
で、発売から7年くらい経っているのに特に商品が改良されたりすることもなく値段もそのまま。
まだ、改良品が出て値段キープなら納得できますが、昔からある商品なのに未だに3000円以上するのはなんかヤダ。安くなってくれてもいいじゃんて思う。
まぁ、考えようによっては改良の余地が無いくらい完成度が高い商品だとも言えますが。
Kickflipを安く買う方法はあるか
セールで買う
Amazonや楽天のセール期間に購入することができれば正規品を安く入手できます。
過去のセール期間だとだいたい2800円くらいで販売されていたようです。定価から500円引きくらい。
最安値だと2300円とか。
3000円を切るので、これなら買ってもいいかなと思える。
ただ、いつセールが行われていくら値引きされるのかはわからないので、たまたま安売りされているタイミングに遭遇した人はラッキーです。
米Amazonで買う
アメリカのAmazonで購入する方法です。
- 日本 amazon.co.jp
- 米国 amazon.com
海外製品は、日本に入ってくる段階で関税やらなんやらの影響で割高になっていることがよくあります。
直接、アメリカのAmazonから購入すれば送料を含めても安く購入できる場合があります。
Kickflipの13インチが15ドル(1650円)くらいで売られていました。日本の約半額です。
セール期間中の最安値は13ドル(1430円)くらい。
日本で買うよりだいぶ安いです。
しかし、ここに送料がかかります。日本でAmazonプライム会員になっていても、米Amazonを使う場合は残念ながら送料がかかります。
米Amazonで購入した商品を日本までの送料
配送方法 | 配達日数目安 | 配送料 |
---|---|---|
Standard | 最短9日 | 7.99ドル(約850円) |
Expedited | 中間 | 9.99ドル(約1100円) |
Priority | 最短6日 | 21.99ドル(約2400円) |
一番遅くて安い配送方法を選択して購入すれば、送料込みでも安く購入できます。
Kickflip 13インチを購入した場合の推定料金は以下。
購入サイト | 商品価格 | 送料 | 合計 |
---|---|---|---|
日本Amazon | 約3200円 | 無料 | 約3200円 |
米国Amazon | 約1650円 | 約850円 | 約2500円 |
日本でセール期間に買うよりも、もう少し安く入手できるかもしれません。
ただ、米Amazonに希望の商品の在庫があるかわかりませんし、実際にカートに入れてみてそのときの価格や送料が決定するので、購入のタイミングで確認してみてください。
メルカリで買う
メルカリなどフリマアプリで購入する方法。
一応確認したら売っている人もいましたがやめた方がいい。
新品に近いものはそれほど安くないし、中古だと粘着テープがヘタっている可能性がある。
Kickflipのパクリ商品を買う
Kickflipの見た目をそっくり真似たような商品が、正規品の半額くらいで売られています。
機能性がほとんど同じで値段が半額なら買いですが、1500円でゴミが送られてくるリスクもあります。
粗悪品を掴まされるリスクありで、1500円の買い物ができるかとなると微妙です。
もし購入する人はしっかりレビューなどを参考にして自己責任でどうぞ。
Kickflipの激安パクリ商品を買ってみた
試しに中華製の激安パクリ商品をAmazonで購入してみました。
日本国内に在庫がある商品は正規品の半額ほどで売られていますが、おそらくそれと同じ商品を中国から直接輸入すると仕入れ値で激安です。
- 国内在庫パクリ商品:約1500円
まともに使える商品ならコスパ良しだが、1500円で粗悪品だったら悲しい
正規品を買うかリスクをとるか微妙なライン - パクリ商品を輸入:約600円(商品300円+送料300円)※変動あり
到着まで時間がかかるが激安
粗悪品を掴まれたとしてもダメージが小さい
ということで、直接中国の販売元からポチりました。通常であれば2週間〜1ヶ月ほどで届くはずです。
中国からの輸入が届かない
さて、結論を言うと、8月25日に注文し、10月18日時点でまだ商品受け取ってません。
→10月30日に届きました。
こんな感じで商品が全動きません。通関が時間かかるみたいです。
そしてこうなります。
で、さすがに届かないのでAmazonを通して販売元へ問い合わせをします。
「商品いつ届くんすか?」みたいな内容を2-3回送りました。
ということで1ヶ月半ほど待った上で、2回目の発送がなされて、それを待っている段階です。(21/10/18)
また進展があれば追記します。
以下 21/10/30 追記
2回目の発送が行われてから約3週間ほどで商品が到着しました。
かなり時間はかかりましたが一応中国からの輸入品はちゃんと届くようです。
Kickflip激安類似品のレビュー
とりあえず画像でご覧ください。
Kicflip本家は薄い箱みたいなパッケージでしたが、この商品はボックス型ではありません。
郵便局のレターパックみたいな薄いやつです。
シンプルに袋にくるまれてるだけ。
これ以外の説明書とかそういうものは一切入ってません。これだけ。
素材感は案外悪くありません。思ってたより全然まともです。
Kickflip15インチ用と比較。
もっとショボい素材で出来てる可能性に不安がありましたが全然大丈夫そう。
商品中央(ヒンジ部分)の厚みはほぼ同じです。
本家Kickflipでは両端部分に向かって薄くなるようデザインされています。
この類似品では端も中央もほぼ均一厚みです。特に使用するにあたって問題はないでしょう。
ということでさっそくMac book airに取り付けてみました。
使用感なんかはKickflipとほぼ変わりません。
これで600円(300円+送料)ならこれでいいんじゃないかと思います。
ただ、唯一気になるのは画像を見てもらってわかる通り接着面がフラットなこと。
本家KickflipではMac本体に密着するように若干曲線状に作られてす。
接着面がフラットであるため、曲線部分を避けて貼り付けないと浮いてしまう可能性があります。
とりあえずはKickflipの代用品として十分かと思います。
到着まで時間がかかるデメリットを飲めるのであれば選択肢としてアリです。
2ヶ月使ってみたレビュー
2022/01 追記
Kickflip激安パクリ商品をしばらく使ってみてのレビューです。
特に壊れたりすることもなく、使用感も問題ありません。所詮ただのゴム板ですからね。
しかし、2ヶ月近く使っているうちに「なんかグラグラする」ことに気づきました。
やはりKickflip正規品と比べると、安価なぶん商品の精度も悪ければ、もしかして強度が弱くて本体が歪んでしまったのかな?と思いました。
最悪、本体に歪みがあるなら直してしまおうと思って、パソコンをひっくり返します。
するとこれ……
貼り付け位置がズレていました。そりゃ使っていてグラつくわけです。
つまり粘着が弱まったかなにかで使っているうちにズレたんでしょう。
一旦剥がして、貼り付け直したことでグラつきは解消できました。
貼り付けている場所はPCの熱が出ますし、冬だったこともあり温度変化などの影響だったかもしれません。
本家Kickflipを使っていてこのように接着面がズレたことはありません。
貼り直せば済む程度の話しではありますが、本家のKickflipと比べて粘着剤の質は低いようです。
この辺も考慮して購入するかどうかご検討ください。
まとめ:Kickflipが一番おすすめ
正規品はちょっと高いですが、一度買ってパソコンに貼りっぱなしにしていれば5年くらいは余裕で使えます。
MOFTは破れそうだし、KAZARIKOみたいにギミックがあるものは壊れやすいし。
Kickflipは素材も丈夫だし、構造もシンプルなので壊れようがありません。
そう考えるとそこまで高くないので買ってもいいと思います。