ホテル暮らしをしてみたいけれど、都会と田舎どちらを選ぶべきか迷っていませんか?実際に様々な場所でホテル暮らしを実践した経験から言うと、場所選びがホテル暮らしの成否を決定すると断言できます。
ホテル暮らしは確かに好きな場所を転々とできる魅力的なライフスタイルですが、どこでも快適に生活できるわけではありません。特に田舎や地方では、生活インフラの不足により想像以上につらい思いをするケースが多いのが現実です。
月額費用は12-18万円程度かかるホテル暮らしで失敗しないためには、都会の駅近エリアを選ぶのが最も確実な方法です。しかし「お金持ちしかできないのでは?」「コスパは良いのか?」といった疑問も多いでしょう。
この記事では、ホテル暮らしに必要な立地条件から宅配サービスの対応状況、具体的な費用比較まで、2025年最新の情報を基に徹底解説します。ミニマリスト的な生活に憧れる方も、まずは場所選びの重要性を理解することが成功への第一歩となります。
ホテル暮らしは都会がおすすめな理由
生活インフラの充実度が圧倒的に違う
ホテル暮らしは外部サービスへの依存度が極めて高い生活スタイルです。必要最小限の荷物でホテルを転々とできるのは、物を持たないからではなく、外部のサービスで代替できるようにしているからです。
ミニマリストとホテル暮らしの根本的な違い
ミニマリストとホテル暮らしは似ているようで全く異なるアプローチです。
ミニマリストはそもそも物を持たないことが目的で、例えば調理器具なら「オールマイティーに使えるコンパクトなフライパン一個だけ」を選びます。ベッドを所有せずに布団だけで生活することも厭いません。
一方、ホテル暮らしは快適さを外部サービスで確保する考え方です。「ベッドで寝たいしソファに座りたい」なら、それらが揃っているホテルで暮らせばいいという発想です。食事についても「コンビニ・外食・出前があるから調理器具はいらない」と判断します。
つまり、ミニマリストは自分が所有する最小限の生活用品で満足して生活できますが、ホテル暮らしは近くにコンビニがないと生活が成り立たないのです。
都会のホテル暮らしで利用できるサービス一覧
都会なら以下のような充実したサービス網を活用できるため、ホテル暮らしが格段に快適になります。
フードデリバリー・宅配サービス(2025年現在)
主要サービスの対応状況:
- Uber Eats:47都道府県展開、約18万店舗が加盟
- 出前館:47都道府県展開、約11万店舗が加盟
- Amazon Prime Now:首都圏限定で注文から2時間で配達
都心部ではホテル宛の配送も問題なく対応してもらえますが、地方では配達エリア外や対応店舗不足で利用できないケースが頻発します。
24時間利用可能な生活インフラ
都会の24時間サービス網:
- コンビニ:徒歩数分圏内に複数店舗、冷蔵庫代わりとして活用
- ドラッグストア:日用品や医薬品の緊急調達
- ネットカフェ:作業場所や一時的な荷物置き場として
レンタル・サブスクリプションサービス
新しい時代のサービス群:
- エアークローゼットなどの衣類レンタル
- 家具家電レンタルサービス
- 宅配クリーニング
- レンタルボックス(荷物預かりサービス)
これらの新規サービスは基本的に都心部から開始され、地方展開は後回しになるか対象外となることが多いのが現実です。
フィットネス・健康管理
エニタイムフィットネスは国内1,200店舗以上を展開し、会員になると全世界どの店舗でも利用可能になります。しかし都内でも「ちょっと住む場所を変えたら最寄りのエニタイムまで2駅」という状況が発生するため、駅近の立地選びが重要です。
緊急時・想定外の対応力
駅近の都心部なら、想定外の何かが必要になった時に対応できるサービスが必ず存在します。マッサージ、サウナ、各種専門店など、「お、それあるじゃん!」となるのが都心立地の最大のメリットです。
田舎では「映画館まで車で一時間」「最寄りのコンビニまで徒歩20分」といった状況が当たり前で、ホテル暮らしの利便性が台無しになってしまいます。
ホテル暮らしに最適な立地条件
ホテル暮らしは必要最小限の荷物を持って各地を転々とできる反面、外部のサービスに依存する生活スタイルです。これはミニマリストとは根本的に異なります。ミニマリストはそもそも物を持たないことを目的としますが、ホテル暮らしは「快適さを外部サービスで代替する」考え方です。
例えば食事について、ミニマリストは調理器具をコンパクトなフライパン一個だけに絞りますが、ホテル暮らしでは「コンビニ・外食・出前があるから調理器具不要」という発想になります。つまり、近くにコンビニがないと生活が成り立たないのがホテル暮らしの特徴です。
徒歩圏内にあるべき施設
コンビニ・スーパーが近くにある
コンビニを自分の冷蔵庫代わりにするのがホテル暮らしの基本戦略です。ビジネスホテルの冷蔵庫は小さく、食材を備蓄できないため、その都度気軽に買いに行ける距離感にコンビニがあることが重要です。
24時間営業の店舗が理想的ですが、スーパーでも構いません。ただし、深夜や早朝に急に必要になった時のことを考えると、やはりコンビニの方が便利です。
ここで重要なのは、未だに「コンビニは高い」「自炊の方が健康的」という意見を言う人がいますが、そんな事実はありません。もしまだそう思い込んでいる人がいたら、もうちょっと調べて勉強してみましょう。現代のコンビニ食は栄養バランスも考慮されており、一人暮らしの自炊よりもコストパフォーマンスが良いケースが多いのが実情です。
飲食店の充実度
コンビニ食だけでは辛いので、飲食店もすぐ近くにあることが重要です。理想的なバランスは、朝〜昼は栄養摂取目的でやや節制した食事、夜はある程度自由に外食することです。これが体的にも精神衛生的にも最適です。
ただし、外食といっても注意が必要です。マクドナルドや牛丼チェーンは栄養バランス的にあまりよろしくないメニューしかないので、できれば控えたいところ。大戸屋のような定食屋があれば理想的です。バランスの取れた食事を手軽に摂取できるからです。
カフェ・作業できる場所
ビジネスホテルは狭くてずっといると息苦しいし、ウィークリーマンションも自分好みに快適な部屋を作れるわけではありません。気分を変えたい時や、パソコンで作業をしたい時にすぐ近くにカフェや喫茶店があれば環境を変えやすくなります。
人によってはファミレスでも良いでしょうし、カラオケもネット使えるので仕事の場所として使う人もいます。自分が好みの作業環境が比較的近くにあることが重要です。
コインランドリーの利便性
コインランドリーがあるホテルであればそれでOKですが、ウィークリーマンションの場合は要注意です。設置されている洗濯機はだいたいが縦型の洗濯機で、これが問題です。
一回、ドラム式洗濯乾燥機を使うとその便利さから離れられなくなります。洗濯して干して〜という手間が嫌なので、それなら近くのコインランドリーで2時間以内に乾燥まで終わった方が楽です。
特に、ホテル暮らしでは衣類も最小限のものしか持ち歩いていないので、洗濯〜乾燥までの時間が短いのは非常に重要なポイントです。
交通・アクセス面の条件
駅近立地のメリット
できれば駅近が良い理由は、電車にすぐ乗れることもありますが、より重要なのは駅の近くには生活に必要なサービスが集合していることです。
コンビニなどはもちろん、日常的には使わなくてもふと思いついた時に「お、それあるじゃん!」となるのが駅近の立地です。マッサージやサウナなど、想定外の何かが必要になった時に、特にビジネスホテルなどがある駅の近くだと、だいたいの要望に答えられるサービスが存在するので困ることはありません。
趣味・娯楽へのアクセス
日常生活や仕事だけでなく、自分の趣味を満たせるかどうかも結構重要です。例えば飲み歩くのが好きな場合、飲み屋さんからタクシー圏内であれば助かります。終電がなくなるためです。
趣味の内容によって必要な立地は変わりますが、ホテルから普通にストレスなく遊びに出られそうかというところも考えて場所を選びたいものです。田舎で映画館まで車で一時間かかるのは論外です。
最新の宅配サービス対応状況(2025年7月)
フードデリバリーの充実度
2025年7月現在、主要なフードデリバリーサービスの対応状況は以下の通りです:
サービス名 | 対応エリア | 加盟店舗数 | 特徴 |
---|---|---|---|
Uber Eats | 47都道府県 | 約18万店舗 | 配達範囲が広い、ホテル宛配送対応 |
出前館 | 47都道府県 | 約11万店舗 | 老舗の安定感、地域密着 |
ホテル宛配送の注意点として、事前にフロントに配送可能か確認することが重要です。多くのホテルで対応していますが、一部では受付不可の場合もあります。また、部屋番号の伝達方法や**受け取り場所(フロント経由か直接客室か)**も事前に確認しておきましょう。
その他宅配・レンタルサービス
近年どんどん増えているのが、宅配系のサービスです。身近なところではピザの出前もありますが、他にも宅配クリーニングなど様々あります。
ホテル暮らしみたいな少ない荷物での生活にマッチするのがレンタル系サービスです。家具家電のレンタルもありますし、エアークローゼットのように衣類レンタルなども利用可能です。荷物を預けておけるレンタルボックスも便利です。
Amazon Primeのprime nowのような注文から2時間で届くサービスも首都圏限定で提供されています。ただし、これらの新しいサービスはだいたい都心部しか対応していません。田舎や地方に住んでしまうと、使えないサービスが増えてしまいます。
運動・健康管理の環境
ジムへのアクセス
運動は大事ですが、ホテル暮らしでダンベルなど運動器具を持ち歩くのは現実的ではないので、基本的にはジムで運動する必要があります。
エニタイムフィットネス(24時間のジム)は2025年現在、国内1,200店舗以上、47都道府県すべてに展開しており、会員になると全世界どの店舗でも使えるようになります。
一見、エニタイムの会員になればどこに住んでも使えるから便利に思えますが、そうはいきませんでした。どの店舗でも使えるとは言ってもジムなので、コンビニのようにいたるところにあるわけではありません。
都内でもちょっと住むところを変えたら、最寄りのエニタイムまで2駅くらいあるという状況になります。結局は、引っ越すたびに最寄りのジムに契約しなおす形になるかと思います。
ジムも入会金やらかかるので、短期間で切り替えるのはコスパが悪くなります。この辺はやりながらうまい方法を探っていく必要があります。お金持ちになったらジム付きのホテルに住みたいものです。
ホテル暮らしの費用対効果を徹底検証
**ホテル暮らしは果たして賃貸住宅よりもコスパが良いのか?**実際の数値データを基に、都会と田舎の費用差、隠れコストまで含めて詳しく分析します。
都会vs田舎の費用比較
宿泊費の実際の相場(2025年現在)
都会のホテル暮らし費用は想像以上に幅があります。一般的なビジネスホテルなら1泊4,000-6,000円が相場で、月額換算すると12-18万円程度になります。これには水道光熱費、Wi-Fi代、清掃サービス、アメニティ代がすべて含まれています。
田舎・地方都市では宿泊費が安くなり、月額8-12万円程度で滞在可能です。しかし安いからといって田舎を選ぶのは危険です。前述したように生活インフラが整っていないため、結果的に不便さやストレスでコストパフォーマンスが悪化する可能性があります。
近年注目されているのがホテルサブスクサービスの活用です。goodroomサブスくらしやノマドーミーなどを利用すれば月額96,000円程度からホテル暮らしが可能になります。ただし、利用できるホテルや期間に制限があるため、事前の確認が必要です。
エリア | 月額費用 | 1泊あたり | 特徴 |
---|---|---|---|
都会(東京・大阪) | 12-18万円 | 4,000-6,000円 | インフラ充実、選択肢豊富 |
地方主要都市 | 10-15万円 | 3,500-5,000円 | 最低限のインフラあり |
田舎・郊外 | 8-12万円 | 2,500-4,000円 | インフラ不足でストレス大 |
サブスク活用 | 9.6万円〜 | 3,200円〜 | 制約あり、要確認 |
隠れコストの詳細計算
ホテル暮らしで見落としがちなのが隠れコストです。宿泊費だけでなく、以下の費用が月々発生します。
食費は最大の出費項目です。ホテルには本格的なキッチンがないため、外食やコンビニ食が中心となり月6-9万円程度かかります。「コンビニは高い」「自炊が健康的」という固定観念を持っている人がいますが、これは間違いです。適切に選べばコンビニ食でも栄養バランスは取れますし、食材廃棄や調理時間を考慮すればコストパフォーマンスは決して悪くありません。
洗濯・クリーニング代も意外とかさみます。ホテル内にコインランドリーがあれば1回300-500円程度ですが、ドラム式洗濯乾燥機を使えるコインランドリーを利用する場合は1回600-800円程度。月に10-15回利用すると6,000-12,000円程度になります。
交通費は住む場所によって大きく変わります。都心のホテルなら徒歩や自転車で済むことが多いですが、郊外のホテルではタクシー代や電車代が月2-3万円程度かかる場合もあります。
エンターテイメント費用も無視できません。ホテルの狭い部屋にずっといるのは精神的にきついため、映画館やカラオケ、飲み歩きなどの娯楽費が月3-5万円程度発生します。
実際の年間費用例
実体験に基づく具体的なデータを紹介します。goodroomサブスくらしを利用して1年間ホテル暮らしをした事例では、年間135万円(月平均約11.3万円)という結果でした。この金額には宿泊費、水道光熱費、消耗品、清掃代がすべて含まれています。
これを東京23区の賃貸住宅と比較してみましょう。ワンルームの平均家賃は月7-11万円程度ですが、これに加えて以下の費用が発生します:
項目 | 賃貸住宅 | ホテル暮らし |
---|---|---|
家賃・宿泊費 | 7-11万円 | 11.3万円 |
水道光熱費 | 8,000-12,000円 | 含まれる |
インターネット代 | 4,000-6,000円 | 含まれる |
消耗品代 | 3,000-5,000円 | 含まれる |
清掃・メンテナンス | 自分で実施 | 含まれる |
初期費用 | 家賃4-6ヶ月分 | なし |
更新料 | 家賃1-2ヶ月分/2年 | なし |
初期費用・更新料込みで総合判断すると、ホテル暮らしと賃貸住宅の費用差はそれほど大きくありません。特に引っ越しが多い人や、短期間の滞在が前提の場合は、ホテル暮らしの方がコストパフォーマンスが良い場合もあります。
どの程度の収入があれば実現可能か
ホテル暮らしに必要な収入水準を具体的に検証します。
月収30万円での実現可能性を考えてみましょう。手取りで24万円程度になりますが、ホテル暮らしの基本費用(宿泊費11万円+食費7万円)だけで18万円かかります。残り6万円で交通費、娯楽費、貯金をまかなうのは厳しく、かなりの節約が必要です。
年収500万円以上(月収35万円以上)になると、手取り28万円程度となり、ホテル暮らしに余裕を持って取り組める水準になります。基本費用18万円を差し引いても10万円の余裕があり、多少贅沢をしても生活が成り立ちます。
節約術とコストカット方法として効果的なのは以下の通りです:
サブスクサービスの積極活用により、月額96,000円からホテル暮らしが可能になります。ただし利用できるホテルや期間に制限があるため、柔軟性とのトレードオフになります。
食費を抑えたい場合は、朝昼は節制、夜は自由という戦略が効果的です。朝はコンビニのおにぎりとサラダ、昼は定食屋のランチセット、夜だけは好きなものを食べるというメリハリをつけることで、月の食費を5-6万円程度に抑えることができます。
長期滞在割引を活用することも重要です。多くのホテルで7泊以上、30泊以上の割引プランが用意されており、通常料金の20-30%程度安くなります。
結論として、年収400万円以上あればホテル暮らしは十分実現可能ですが、余裕を持った生活を送りたいなら年収500万円以上を目安にすることをおすすめします。
ホテル暮らしのデメリットと注意点
ホテル暮らしは魅力的に見えますが、実際には多くの制約と困難が存在します。特に場所選びを間違えると生活が破綻するリスクがあるため、事前にデメリットを理解しておくことが重要です。
田舎・地方でのホテル暮らしが困難な理由
インフラ面の制約
田舎や地方でのホテル暮らしは、生活インフラの不足により現実的に困難です。ホテル暮らしは外部サービスへの依存度が極めて高いライフスタイルのため、これらのサービスが整っていない地域では成り立ちません。
宅配サービスの大きな格差:
- Uber Eatsや出前館は47都道府県で展開しているものの、実際の配達エリアは都市部に集中
- 地方では配達可能店舗が極端に少なく、配送料も高額になりがち
- Amazon Prime Nowなどの即日配送サービスは首都圏など限定的
24時間営業店舗の絶対的不足:
- コンビニすら深夜は閉店している地域が多数
- 冷蔵庫代わりとしてコンビニを活用できない
- 急な買い物や食事に対応できず、事前の計画が必須
公共交通機関の不便さ:
- 最終電車が早く、夜の外出が制限される
- バスの本数が少なく、移動に時間がかかる
- 結果的に車が必要になり、ホテル暮らしの身軽さが失われる
娯楽・文化面の制約
地方でのホテル暮らしは、精神的なストレスが蓄積しやすい環境です。都市部と比較して娯楽の選択肢が圧倒的に少なく、長期滞在には不向きです。
深刻な娯楽施設不足:
- 映画館まで車で1時間というケースが珍しくない
- カラオケ、ボウリング場などの娯楽施設も限定的
- 書店やカフェなど、気軽に時間を過ごせる場所が不足
飲食店の選択肢の圧倒的な少なさ:
- チェーン店中心で、栄養バランスの良い食事が困難
- 定食屋のような健康的な外食選択肢が極めて限定的
- 結果的に食費が高くなりがちで、栄養面でも問題
同世代との交流機会の欠如:
- 若年層の人口が少なく、同世代との出会いが限定的
- コワーキングスペースなどの仕事環境も不足
- 孤独感が強くなり、メンタルヘルスに悪影響
都会でも起こりうる問題
都会でのホテル暮らしでも、多くの人が想定していない問題が発生します。特に長期間続ける場合、これらの問題は深刻化しやすいため注意が必要です。
費用面の負担
想定以上の出費リスク:
費用項目 | 月額目安 | 備考 |
---|---|---|
宿泊費 | 12-18万円 | 都内ビジネスホテル相場 |
食費 | 6-9万円 | 外食中心のため高額 |
洗濯・クリーニング | 1-2万円 | コインランドリー利用 |
交通費 | 1-3万円 | 移動の自由度による |
合計 | 20-32万円 | 賃貸の2-3倍 |
収入変動への対応困難さ:
- 日割り計算のため、収入減少時に即座に家計に影響
- 敷金・礼金がない分、月々の固定費が非常に高額
- 景気悪化や病気などで収入が減った場合、即座に生活レベルを下げざるを得ない
住民登録の問題
正式な住所として認められないケース:
- 多くのホテルでは住民票の転入ができない
- 銀行口座開設、クレジットカード申込みで困難が生じる
- 各種行政サービスの利用に制限
各種手続きでの不便さ:
- 郵便物の受け取りが不安定
- 実家住所を使い続ける必要があり、家族への負担
- 確定申告などの公的手続きで住所確認書類の準備が困難
生活面の制約
荷物の厳しい制限:
- スーツケース1-2個程度に全ての所有物を制限
- 季節の変わり目に衣類の入れ替えが困難
- 思い出の品や趣味の道具を手放す必要
プライベート空間の不足:
- ビジネスホテルの狭い部屋での長時間滞在はストレス
- 来客対応ができず、人間関係に影響
- 自分好みの空間作りができないため、居住性が低い
長期滞在時の心理的ストレス:
- 「仮住まい感」が常に付きまとい、落ち着かない
- ホテルスタッフとの関係性構築の難しさ
- 近隣住民との関係がなく、地域コミュニティから孤立
これらのデメリットを踏まえると、ホテル暮らしは一定の収入と精神的な適応能力を持つ人に限られるライフスタイルと言えます。特に田舎や地方での実践は現実的ではなく、都市部でも慎重な計画と覚悟が必要です。
おすすめエリアと具体的な選び方
ホテル暮らしを成功させるには、生活インフラが充実したエリア選びが最重要です。実際の経験から、最適なエリアの特徴と避けるべき場所について具体的に解説します。
首都圏でのおすすめエリア
東京・新宿・渋谷エリアは、ホテル暮らしに最も適した立地です。これらのエリアが優れている理由は、24時間営業の店舗密度と交通利便性にあります。
新宿エリアでは、駅周辺に大型家電量販店、ドラッグストア、コンビニが密集しており、深夜でも必要なものがすぐに調達できます。渋谷は若者向けの飲食店が豊富で、栄養バランスの取れた外食選択肢が多いのが特徴です。
駅近ビジネスホテル集積地区として特におすすめなのは以下のエリアです:
エリア | 特徴 | 月額相場 |
---|---|---|
新宿駅周辺 | 24時間施設充実、交通ハブ | 12-15万円 |
渋谷駅周辺 | 飲食店豊富、若者向け | 13-16万円 |
品川駅周辺 | ビジネス街、新幹線アクセス | 14-17万円 |
秋葉原駅周辺 | 家電・PC関連充実 | 11-14万円 |
これらのエリアはエニタイムフィットネスの店舗密度も高く、運動習慣を維持しやすい環境が整っています。また、Uber Eatsや出前館の配達エリアは完全にカバーされており、深夜の食事調達にも困りません。
地方主要都市の選択肢
地方でホテル暮らしを成功させるなら、名古屋・福岡・札幌が現実的な選択肢です。これらの都市なら都心部と同等の生活インフラを確保できます。
名古屋は中部地方最大の都市として、名古屋駅周辺に集積したビジネスホテルと充実した商業施設があります。福岡は九州の経済中心地として、天神・博多エリアに必要な施設が集約されています。札幌は北海道内で唯一、都市型ホテル暮らしが可能なエリアです。
地方都市でホテル暮らしが成立する条件:
- 主要駅から徒歩5分以内のビジネスホテル立地
- 24時間営業のコンビニが徒歩圏内に複数存在
- フードデリバリー対応エリア内である
- 総合病院が車で30分以内にある
主要駅周辺エリアの重要性は、東京以上に地方で顕著になります。駅から離れた郊外ホテルでは、車なしでの生活は困難を極めるためです。地方都市では、駅前エリアの外に一歩出ると急激に利便性が低下します。
避けるべきエリアの特徴
ホテル暮らしで絶対に避けるべきエリアがあります。これらの立地を選んでしまうと、日常生活で大きなストレスを抱えることになります。
郊外・住宅地の問題点として最も深刻なのは、公共交通機関の不便さです。郊外のホテルは車でのアクセスを前提としているため、徒歩や電車での移動では生活が成り立ちません。
問題の多いエリアの特徴:
- 最寄り駅まで徒歩15分以上かかる立地
- 終電が23時前に終わる路線沿い
- コンビニまで徒歩10分以上の距離
- 宅配サービス対象外または配送料が高額なエリア
観光地特化型ホテルの不適性も重要な注意点です。温泉地や観光地のホテルは、長期滞在を想定していないため、連泊割引がなく費用が割高になります。また、観光地は生活用品を扱う店舗が少なく、日用品の調達に苦労します。
特に避けるべき観光地ホテルの特徴:
- 1泊あたり8,000円以上の宿泊料金
- 連泊割引制度なし
- 周辺にコンビニ・スーパーなし
田舎や地方の観光地では、映画館まで車で1時間というのも珍しくありません。娯楽施設へのアクセスの悪さは、長期滞在時の精神的ストレスにつながります。
ホテル暮らしの場所選びでは、利便性を最優先に考えることが成功の鍵です。多少宿泊費が高くても、駅近の都市部を選ぶことで、トータルの生活コストと時間効率が大幅に改善されます。
まとめ
ホテル暮らしを成功させるには、都心部または地方主要都市の駅近エリアを選ぶことが最も重要です。田舎や郊外では生活インフラの不足により、快適な生活を維持することは困難になります。
月額15万円程度の予算と、外部サービスに依存する生活スタイルに適応できれば、従来の賃貸住宅では得られない自由で快適なホテル暮らしを実現できます。特に東京・新宿・渋谷エリアや名古屋・福岡・札幌といった主要都市の駅近エリアであれば、必要な生活インフラがすべて徒歩圏内に揃っています。
ホテル暮らし成功のための必須条件:
- 駅から徒歩5分以内のビジネスホテル立地
- 24時間営業のコンビニ・飲食店が徒歩圏内
- Uber Eats・出前館対応エリアでの宅配サービス活用
- エニタイムフィットネス等のジムへの容易なアクセス
一方で、郊外や観光地特化型ホテルは宿泊費が割高になるうえ、日常生活に必要な施設へのアクセスが困難となるため避けるべきです。
ホテル暮らしは単なる住居の選択肢ではなく、場所に縛られない新しいライフスタイルです。適切なエリア選びと予算計画ができれば、通勤時間の短縮、家事からの解放、多拠点生活の実現など、従来の住み方では得られないメリットを享受できます。
場所選びは慎重に行い、まずは短期間の体験滞在から始めて、自分に合ったエリアとホテルを見つけることをおすすめします。