「簡単に炭酸水が作れる」という謳い文句を信じてソーダストリームを購入したのに、いざ使ってみたら「2日目のコーラ」レベルの弱さ。公式推奨の2プッシュでは全然満足できず、強炭酸好きには物足りません。
原因は、プッシュ回数の不足、CO2の溶解度が温度に大きく依存するという科学的理由、そして市販強炭酸水(3,000〜6,000ppm)との濃度差にあります。
この記事では、実体験と科学的データに基づいて、炭酸が弱い理由と強炭酸を作る具体的な方法(プッシュ回数、水温管理、振る技術)、そして実質コストの真実を解説します。
結論を先に言うと、強炭酸を作るには手間もコストも倍増(実質40-50円)します。ペットボトル炭酸水と大差なく、普段から炭酸水やコーラを好む人には正直おすすめできないというのが率直な評価です。
あくまでも個人の感想です。ソーダストリームさんごめんなさい。
ソーダストリームの炭酸が弱い3つの理由
ソーダストリームを使ってみて衝撃だったのが炭酸の弱さです。公式のマニュアル通りに冷蔵庫で冷やした水に対して2プッシュしたのですが「これ炭酸入ってるのか?」というレベルでした。例えるなら2日目のコーラ。入っているか入ってないかと聞かれたら入っている、という程度。
なぜソーダストリームの炭酸がこれほど弱いのか、3つの理由から説明します。
公式推奨の2プッシュでは不足している
ソーダストリームの公式マニュアルでは、500mlボトルに対して2プッシュが通常の炭酸とされています。しかし、これでは明らかに炭酸が弱い。
一応使い方が間違っていないことを確認しましたが、期待しているような炭酸水になりませんでした。
そこで試したのが炭酸の注入回数を増やす方法。倍プッシュです。2回→3回→4回と水を入れ替えながら試してみて、ちゃんと炭酸水っぽく感じられたのが5プッシュでした。
解決方法の口コミを探す中でも「5回やる」という人がいたので、ちゃんと炭酸水にするには5回くらい注入する必要があることは感覚的にも合ってそうです。
ちなみに5回注入して微炭酸レベル。微炭酸水が飲みたい人であればこれで良いと思います。でも普段から強炭酸とかコーラとか好きな人にとっては物足りません。
📊 プッシュ回数と炭酸強度の目安:
| プッシュ回数 | 炭酸強度 | 公式推奨 | 
|---|---|---|
| 2回 | 通常の炭酸 | ○ | 
| 3-4回 | 強炭酸 | ○(強炭酸時) | 
| 5回以上 | 微炭酸〜中炭酸レベル | – | 
公式が「強炭酸」として推奨する3-4プッシュでも、普段から市販の強炭酸水を飲んでいる人にとっては物足りないのが実情です。
CO2の溶解度は温度に大きく依存する
炭酸の弱さには科学的な理由があります。二酸化炭素(CO2)は低温な水ほど良く溶けるという性質があるためです。
📈 温度とCO2溶解度の関係:
| 水温 | CO2溶解度 | 
|---|---|
| 0℃ | 約3.5g/L | 
| 20℃ | 約1.7g/L(約半減) | 
| 30℃ | 約1.2g/L | 
冷蔵庫で冷やした程度の水温(4-7℃)では、CO2の溶解度はまだ十分ではありません。業務用の強炭酸水を製造する際は、0℃に近い冷水を使って加圧することで、ガス溶解を最大化しています。
調べたら、たしかに炭酸水を作っているメーカーも製造工程で徹底的に冷やしている。温度が上がるほど溶解度は指数関数的に減少するという科学的データが報告されています。
つまり、ソーダストリームで冷蔵庫から出したばかりの水を使っても、物理的に炭酸が溶けにくい状態なのです。
市販の強炭酸水との濃度差
ソーダストリームの標準的な2プッシュと、市販の強炭酸水では、炭酸濃度に大きな差があります。
📊 市販強炭酸水の炭酸濃度:
| 商品名 | 炭酸濃度(ppm) | 
|---|---|
| ウィルキンソン | 3,200〜3,700 | 
| カナダドライ | 3,500〜5,000 | 
| サントリー THE STRONG | 約5,000 | 
| クオス | 最大6,000 | 
開封前のペットボトル強炭酸水は3,000〜6,000ppm程度を誇ります。特にウィルキンソン、サントリーTHE STRONG、クオスなど強炭酸として知られる製品は、ガス充填量が非常に多い。
一方、ソーダストリームの標準的な2プッシュでは、この濃度に到達するのは難しいでしょう。5プッシュしてようやく「微炭酸レベル」と感じるのは、市販の強炭酸水と比較すると納得できる結果です。
ソーダストリームで強炭酸を作る方法
ソーダストリームで強炭酸を作る方法をもう少し深く調べてみた結果、いろんな人がいろんな方法を試した結果の総合判断として、次の作り方が正解っぽいです。
プッシュ回数を増やす
最もシンプルで確実な方法が、ガス注入回数を増やすことです。
公式の推奨では500mlボトルに対して2プッシュ(通常の炭酸)、3-4プッシュ(強炭酸)とされていますが、実際にはもっと多くのプッシュが必要になります。
⚙️ プッシュの基本:
プッシュごとに1〜2秒程度、「プシュッ」という音がしたら離す操作が基本です。炭酸充填のサインとして**「ブー」という音**が聞こえます。この音が確認できれば、ガスが正しく注入されている証拠。
ただ、どのくらいガスを追加したら良いかは、他の条件(水温など)や好みによるので、個人個人でいい塩梅を探す必要があります。
適宜・必要分だけ追いガスをする。当然、追いガスをした方が炭酸が多く溶け込むので炭酸感が強くなります。
水を徹底的に冷やす
炭酸を強くするには、水温を可能な限り下げることが科学的に最も効果的です。
📊 科学的根拠:CO2は低温ほど溶けやすい
先ほど説明した通り、CO2の溶解度は温度に大きく依存します。0℃で3.5g/L → 20℃で1.7g/L(約半減)というデータからも、冷やせば冷やすほど炭酸が溶けやすいことがわかります。
業務用の強炭酸水は0℃近くの冷水を使用して製造されています。冷蔵庫で冷やした程度(4-7℃)では、まだ不十分なのです。
🧊 冷蔵庫で冷やす(基本)
まずは基本として、冷蔵庫で数時間は冷やすことが必要です。公式推奨温度は4-7℃。最低でもこのラインは守りましょう。
冷蔵庫の最も冷える場所(奥の方や冷気吹き出し口付近)に配置すると、より効果的に冷やせます。
❄️ 最も効果的な方法:氷を入れて冷やす

強炭酸を作りたいのであれば、冷蔵庫で冷やした程度では足りません。ボトルの口から入れられる小さめの氷を5〜10個くらいぶち込んでさらに冷やします。
シェイクすれば水温をさらに下げることができ、0℃に近づけることで炭酸の溶解度が最大化します。
⚠️ 注意事項: 公式は「ボトルに氷を入れてのガス注入」を推奨していません(噴出・故障リスクの懸念)。ただし科学的には水温を下げることで炭酸は強くなります。実践する場合は自己責任で判断してください。
本体ごと振って炭酸を溶かす
ボトルをソーダストリームに設置して炭酸ガスを注入しますが、その過程でソーダストリームごと振るのが効果的です。
🔄 振り方のポイント:
ボトル内の圧力が高まっているままの状態でガスをなじませたいので、取り付けたまま振ります。そんなに激しく振る必要はなく、ある程度ボトル内の液体と気体が触れ合うように振ったり傾けたりするくらいで良いと思います。
圧力が高まった状態でガスを水になじませることで、炭酸が溶け込みやすくなります。振った後、少し時間を置いて溶け込ませるとさらに効果的です。
これらのやり方を試してみたらたしかに炭酸が強くなりました。
プッシュ回数と実質コストの関係
ソーダストリームの大きな売りの一つが**「1本あたり約18円」**というコストパフォーマンス。しかし、この数字には大きな落とし穴があります。
公式の「1本18円」は標準強度での計算
公式のコスト計算は、以下の前提に基づいています。
💰 コスト計算の根拠:
- ガスシリンダー1本(約2,000円)で120本分(60L)
 - 500mlボトル換算で約18円
 - 標準強度・2プッシュ換算・水道水利用が前提
 
つまり、通常の炭酸(2プッシュ)で満足できる人であれば、たしかに1本18円程度のコストで炭酸水を楽しめます。
強炭酸を作ると実質コストは倍増
しかし、強炭酸を作ろうとすると話が変わってきます。
📊 プッシュ回数別のコスト比較:
| プッシュ回数 | 作れる本数 | 実質コスト | 
|---|---|---|
| 2回(通常) | 約120本 | 約18円/本 | 
| 4-5回(強炭酸) | 約50-60本 | 約40-50円/本 | 
プッシュが多いと炭酸の溶存量は増えるが、ガス消費も加速するという公式が成立します。強炭酸(3〜4プッシュ)を多用すると、ガスシリンダー1本で作れる量は約半減するのが実情です。
実際に僕も倍プッシュしているので、炭酸水の単価は1本40〜50円になっています。
市販のペットボトル炭酸水で良いのでは?
色々と工夫すればソーダストリームでもそれなりの炭酸水は作れることがわかりました。しかし、**そんな手間ひまかかるなら普通のペットボトル炭酸水買えば良くね?**と思うわけです。
手間とコストを考えると疑問
「ソーダストリームで強炭酸を作る方法」なんてのは、ソーダストリームを買ってしまった人がなんとか有効活用しようとするものです。
もし最初から公式ページの案内に「冷蔵庫で冷やしたあとに氷を入れて更に冷やして、本体を持ち上げてシェイクしながら、好みの炭酸になるまでガスを注入しまくります」とか書いてたら買いますか?って話。
簡単に2プッシュで炭酸が作れます!と謳ってるから、それを信じて買うわけで。
実質コスト40〜50円なら、もうペットボトル炭酸水を安く箱買いするのとあまり変わらないんですよね。だったらもうペットボトル炭酸水でいいやってなるわけです。
ペットボトル炭酸水の方が便利
Amazonで箱買いすると1本60円とか。定期購入や2箱買いするともっと安くなります。
🎯 ペットボトルのメリット:
- 最初から強炭酸で、手間なし
 - 開ければすぐ飲める
 - ラベルレスならゴミ捨ても簡単
 - 安定した品質
 
しかもソーダストリームのように苦労して炭酸を作る必要なし。ペットボトル便利。
ミドボン(業務用ガス)を使う方法もあるが…
ソーダストリームの方ももっと単価を安くする方法は存在します。ミドボンを使うやり方です。
つまり、業務用のガスボンベを使うと炭酸ガスの単価がかなり安くなるので、ペットボトルと比較してもかなりお得になります。
ただし:
- 接続用のアタッチメントやホースやらの用意が必要
 - 最初の導入コストがかかる
 - 一般的にはなかなか手が出しづらい
 
これでも初期導入コストはいくらかかかります。1年2年スパンで考えると安くはなるでしょうが、一般的には手が出しづらいのが現実です。
ソーダストリームを使って感じたマイナス評価点
炭酸以外の部分でマイナス評価になりえる部分を紹介します。
ガスシリンダーの配送交換が面倒くさい
ソーダストリームのガスシリンダーは使い切った分と交換する形で購入します。
📦 交換の流れ:
- 注文したガスシリンダーが届く
 - その場で開封して中身を入れ替える
 - 返送用のラベルと共に配送業者さんに引き渡す
 
まず、交換対応なので配送してもらう日にちに家で待ち構えておく必要があります。宅配ボックスなどに勝手に置いといてもらうことができません。
で、使い切ったシリンダーを交換するために配達員さんを数分間その場に引き止めるのが嫌です。
地方など比較的余裕がある地域ならまだいいかもしれませんが、都会の配送業者さんって1分1秒を削るような配達の仕方で頑張ってると思うんですよね。そういう人を玄関先で3〜5分間待たせるのはなんか気が引けてしまいます。
「待たせたら悪い」という意識がある人であればまだ事前に準備とかして最短の待ち時間で済ませると思うけど、そういう意識が無い人ってたぶんもっと待たせることになってるはず。配達員さんが来てからシリンダー探して、箱の詰め方わからなくて・・・みたいな。
ソーダストリーム社からすれば配送業者の都合なんて知ったこっちゃないので、まぁこういう仕組みになってしまうのも仕方ありませんが、個人的にはいや。こんな面倒くさい商品頼んでしまって佐川急便さんごめんなさいってなります。
味付けシロップは使わない
ソーダストリームには味付け用のシロップがありますがほとんど使いません。
瓶とかボトルにすごい粘度が高いトロトロしたシロップが入ってて、それを炭酸水に入れると味がつく。
❌ シロップの問題点:
- 粘度が高いので量が上手く調整できない
 - フタの周りについてベトベトする
 - 味も美味しいのかどうかわからない
 - 炭酸を作るために超冷たくした水にトロットロの液体だから溶けない
 - ちゃんとマドラーでかき混ぜればいいがもう面倒くさい
 
この辺はアメリカの商品だなーって感じです。
最初からフレーバー付きの炭酸水買った方が楽だし美味しいというのが正直な感想です。
よくある質問
- ソーダストリームは何回プッシュすればいいですか?
 - 
公式推奨は500mlで2プッシュ(通常の炭酸)、3-4プッシュ(強炭酸)です。ただし実際には5プッシュ以上で微炭酸レベルと感じる人も多く、好みに応じて調整が必要です。「ブー」という音が炭酸充填のサインになります。
 - ボトルに氷を入れても大丈夫ですか?
 - 
科学的には水温を下げることで炭酸の溶解度が高まるため、氷を入れて冷やすのは効果的です。CO2は0℃で最もよく溶けます。ただし公式は噴出や故障のリスクを理由に推奨していません。実践する場合は自己責任で判断してください。
 - ソーダストリームを振っても大丈夫?
 - 
ボトルをソーダストリームに設置したまま振るのは効果的です。圧力が高い状態でガスを水になじませることで炭酸が溶け込みやすくなります。激しく振る必要はなく、液体と気体が触れ合う程度で十分です。
 - ガスシリンダー1本で何本作れますか?
 - 
公式では60Lシリンダーで約120本(500ml、2プッシュ換算)とされています。ただし強炭酸(4-5プッシュ)を作ると50-60本程度に減少します。プッシュ回数が多いほどガス消費が加速するためです。
 - ソーダストリームの実質コストはいくらですか?
 - 
公式の「1本18円」は2プッシュでの計算です。強炭酸を作ると実質40-50円になり、ペットボトル炭酸水(箱買いで60円前後)と大差なくなります。手間を考えるとペットボトルの方がコスパが良いかもしれません。
 - 炭酸が弱い原因は何ですか?
 - 
主な原因は3つです。①プッシュ回数の不足(公式の2プッシュでは足りない)、②水温が高い(CO2は低温ほど溶けやすい)、③ガスを水に十分なじませていない。この3つを改善すれば炭酸は強くなります。
 
まとめ
ソーダストリームが向いているのは普段炭酸を好き好んで飲んでいない人な気がします。例えば、これまでは炭酸を飲んでなかったけど健康のために今後習慣づけたいとか。実際に僕の身内はそんな具合で、特に不満なく使っているようです。
逆に僕のように普段から炭酸水やコーラを好んで飲んでいる人間にとっては物足りない。満足するように作ると手間もコストも増えるので、もはやソーダストリームを買うメリットが消えます。
冷やして、氷を入れて、振って、倍プッシュして…という手間をかけて実質40-50円。それならAmazonで箱買いすれば1本60円で最初から強炭酸が手に入ります。ガスシリンダーの配送交換も面倒だし、シロップも使わない。
ということでゴミ捨てが簡単なラベルレスのペットボトル炭酸水がおすすめです。

