ホテル暮らしのメリット・デメリット|賃貸住まいを辞めたい理由

一人暮らしを10年ほど続けた結果、賃貸で部屋を借りることに対して色々とストレスを感じるようになりホテル暮らしに興味が湧きました。

料金や設備・サービスなどを調べて賃貸と比較してみると、なかなかホテル暮らしの魅力的なメリットが見えてきました。

特定の条件や、生活スタイルをクリアしさえすればホテル暮らしも悪くない。むしろ是非チャレンジしてみたいと思えるものだったのでここにまとめます。

目次

ホテル暮らしの定義

ホテル暮らしと言ってもその形態は様々で、状況によって生活スタイルも変わります。

ここでは旅行や出張での一時的なホテル滞在は含みません。

あくまでも賃貸に定住するのでなく、ホテルやウィークリー・マンスリーマンションなどをメインの生活拠点とすることを「ホテル暮らし」と呼ぶことにします。

「一時的なホテル滞在」と「ホテルで暮らす」のとでは、全く意味合いが異なります。

契約内容で言えば借地借家法と施設利用契約。

  • ホテル:施設利用契約
    →ホテルという設備を利用する話
  • 賃貸:借地借家法
    →部屋を借りて住む話

滞在日数としては具体的に示せませんが、あくまでもホテルが生活のメインの拠点ということにしたいので、月の半分以上はホテル、年間の半分以上はホテルで生活をすることをイメージしていただければと思います。

このようにホテルなどをメインの生活拠点とした場合に、一般的な賃貸に住む場合と比較してどのような違いがあるのかをまとめます。

ホテル暮らしのメリット

ホテル暮らしを実現すれば、賃貸生活のこんなわずらわしさから開放される!というもの。

賃貸契約が必要ない

まず、賃貸は契約が面倒。

保証人をたてて審査してうんぬん。保証人が建てられない場合は代理会社にお金を取られる。

収入や身分によって審査が通りにくいことも多々あって、住みたい部屋に住めるとも限らない。

条件が良い人気物件は空いていないし、タイミングも運になります。

2年間もの契約をするのに、たまたま入れるところに入るみたいなのはあまり納得感がありません。

ホテル暮らしであれば、わざわざ面倒な契約ごとはなし

宿泊日数分の料金を払えばそれで完了です。とても楽。

最短で申し込みの当日〜翌日には入れます。

初期費用が安い

賃貸に入居するには多額の初期費用がかかります。

  • 前家賃
  • 敷金
  • 礼金
  • 仲介手数料
  • 保険・鍵交換費など

おおよそ家賃の5〜6ヶ月分が相場です。

家賃10万円の部屋に住むために50万円〜もかかります。

ちなみにこれは法的な上限額です。

礼金は払う意味がわかりませんし、仲介手数料は家賃の1ヶ月分までしか請求してはいけないと決まっています。ですので、ほんとは0円でも3万円でも良いのです。

これをギリギリ法律の上限額を「当然払うものである」かのように請求してくる不動産の殿様商売が正直不快

自分が不動産をやるならいいんですが、取られる側になるとちょっとムカつきません?

ホテル暮らしなら入居時の初期費用は備品代として数千円~1万円以内で済みます。

初期費用の負担は最初の1度だけでなく、次に別の部屋に移るときにもかかってきますので金額の差は大きいです。

家具・家電・その他家財を買わなくていい

賃貸に住む場合、初期費用の他に家財を揃えるお金もかかります。

初めての一人暮らしなどで、一通り家具家電をそろえると最低10万円~にはなります。

これが必要なくなります。

家財は長く使用すればするほど、月辺り・1日辺りのコストは安くなります。

1年間程度の使用なら、購入するよりレンタルの方が安くなるイメージです。2~4年使うなら購入したほうが支払額が安く済む。

しかし、家財は劣化もしますし、必要なものが変わったりで定期的に買い替えが発生します。

家電なんてどんどん新しいものが発売されますし。

特に部屋を変えるタイミングで、次の部屋に合わせて新調することも多いです。カーテンなんて部屋によってサイズが変わるので、まだ使える状態でも引っ越すたびにほぼ買い替えですよね。

ここで更に問題なのは、家具や家電はほとんど売ることが出来ず、処分にお金がかかるということ。

新しくて人気があり状態が良くてそれなりの値段がするもの出なければ買い取って貰えません。

ソファやベッドなど大型家具は1台5000円~1万円ほど処分費用がかかります。

これを繰り返していると、もうホテルやマンスリーに備え付けのもので良くない?という気になってきます。

海外であれば家具付の賃貸部屋が一般的である国もあるので、そんな感じであれば賃貸住まいもいいんですけどね。

もしくは、今後賃貸に住むなら家具家電はレンタルにしようと思っています。返却で引き取ってくれるレンタルの方が楽です。

家財を所有してしまうと処分が大変で費用がかかりますし、引っ越し代も高くなります。

更新費用

通常の賃貸は一般的に2年契約。

それ以上住む場合は、2年毎に家賃の1ヶ月分かかります。

毎月利用料を支払っているにもかかわらず、更新費を払うか・新たな不動産屋への契約料を払うかの選択を迫られます。

どっちの選択をしても、不動産屋が得して住む人が損するルールになってるんですよね。

だからどこの不動産屋・オーナーも意味不明な金額をふっかけてきます。

ホテルだとこのよくわからないお金もかかりません。

引っ越しの労力・費用

引越しが面倒くさい。

もちろん新居に移ることはワクワクしますが、退去の準備がまぁ大変。

敷金をぼったくられないように、それなりに部屋を綺麗にして出なければなりません。

シンプルに労力がかかりますし引越し代金もかかります。

ホテル暮らしであれば元々が身軽なので荷物のパッキングも30分~1時間もあれば余裕。

手荷物以外にダンボールなどを使ったとしても、それを次の部屋に送るだけ。引越し費用は1万円かかりませんね

電気ガス水道インターネットの契約

賃貸に住む時に必要なのが、電気ガス水道とネット(回線とプロバイダ)の契約。

退去するときはそれぞれ解約や移転の手続き。

この5箇所に電話して、それぞれにカードなどの支払い情報を提出してと地味に面倒。

1~2年に1度程度の作業ではありますが、こういう事務手続きが苦手なのでストレス。

特にネットの固定回線は2年縛りがあったり、工事が遅くなったり、設定が面倒だったり。

ホテルやマンスリーはいちいち入居者が契約しなくていい。楽。

住民票(転居届け)

ホテルやマンスリーにも住民票を置くことは不可能ではありません。

しかし現実的にはホテルと別に住民票を置くための拠点を持っておくのが良さそうです。

倉庫替わりに小さい安い部屋を用意したり、実家が使える人はそこに住民票を置いておく。

すると自分がホテルを転々と移動しても、その都度役所に出向いて住民票の手続きをとる必要がありません。

役所はなかなか合理的なシステムにならない組織なので、いちいち面倒ですよね。

早く住民票が不要な時代になればいいのですが、それまではどこかに住民票を置いておいて、自分だけ好きな場所に住むのが最適な気がしてます。

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部屋の掃除

ホテルであれば清掃がはいるので掃除をする必要はなくなります。

ウィークリーマンションやマンスリーマンションでは日常の掃除は自分ですることにはなりますが、それでも数ヶ月~1年以内に動くのであれば汚れの蓄積は少ないです。

2~4年スパンで暮らす賃貸に比べたらそこまで汚れませんよね。

また、退去時も賃貸のように小綺麗にして出る必要もありません。

いずれにせよ、賃貸に比べると掃除の労力はかなり減ります。

移動のタイミングが自由

更新費用は単純にお金がかかるのも嫌ですが、こういった家賃以外の費用がかかることにより、引越しのタイミングに制限がかかるのがストレス。

  • 更新月前に引越しを考えなければならない
  • 更新費用払ったばかりで退去するのは払い損になる

仕事もプライベートもいつどのように状況が変わるかわかりません。

その都度自分にとって最適な環境に身を置きたいのに関わらず、不動産の契約があるせいで身動きの自由度が下がるのは辛い。

ホテル暮らしならいつでも好きなタイミングで動けます

家賃という固定費が変動費になる

これはメリットというか考え方。

毎月かかる家賃という固定費を、その都度調整できるようになります。

お金を節約したいときは、来月は小さめの部屋に住んで安くしようとか、安い地域に移ろうとか。

逆に余裕あれば、1ヶ月だけタワマン住んでみようみたいなことも出来ます。

交通費・通勤時間を減らせる

仕事をしていると職場が変わることも当然有り得ます。

その都度、都合のいい場所にすぐ動けるので通勤の時間も交通費も節約出来ます。

趣味などの活動場所の近くに住むということも出来ますし。

とりあえず自由度が高い。

旅行や出張に行くときに家賃が浮く

例えば1週間くらい旅行や出張に行くとします。

その間はもちろん旅先のホテルやらに滞在しますが、その間も賃貸の家賃は発生しています。

ホテル暮らしであれば、今住んでいるところを退去して旅行やら出張やら行けばいいので出張期間分の家賃が浮きます。

ホテル暮らしのデメリット

一人身ノマド限定

2人暮らし以上でもホテル暮らしは可能ですが、やはり1人の方がホテル向きです。

そもそも自由度があがるのがホテル暮らしのメリットですので、自分以外の人間の都合によって行動が制限されてしまうのであればホテルを転々とするメリットが薄れます。

1人でプラプラとノマド生活をしたい人向き。

ノマド(nomad)は、英語で「遊牧民」の意味。オフィスだけでなく様々な場所で仕事をする新しいワークスタイルを指す言葉として定着。このような働き方をノマドワーキング、こうした働き方をする人をノマドワーカーと呼ぶ。

家財にこだわる人は無理

  • お気に入りのベッドじゃないとヤダ!
  • テディベアちゃんがいないと寝れない!
  • 家具はこだわりの北欧のやつでザマス。

みたいな人はちゃんと定住した方がいいですね。こういう人はマンションや一軒家を購入するのが向いてます。

あと何かしらをコレクションしたい人。

つまり「モノ」に対して制限がかかる。

ペットが飼いづらい

賃貸でもそうですが、ホテルやマンスリーになるとよりペット可物件が少なくなります。

それにペットって頻繁に場所が変わるのは好みません。

ペット用品の分、持ち運ぶ荷物もかなり増えます。

ペット連れで世界を転々としている人もいるので不可能ではありませんが、自分ひとりだけと比べるといろいろと負担は増えます。

同じ場所に長期間定住する人は賃貸の方がコスパが良い

賃貸で無駄にお金がかかるのは、入退去時にかかる費用です。

また家財などは長く同じものを使うほど償却費用としては月々の負担が小さくなります。

どのような条件でどう計算するかにもよりますが、コストパフォーマンスは概ね以下のようになります。

期間とコスパ
  • 1週間程度のごく短期ならホテル
  • 〜1年間くらいはマンスリーがコスパよし
  • 1〜2年くらいはマンスリーと賃貸と微妙なライン
  • 2年以上同じ場所にすむなら賃貸がコスパよくなる

もし2年毎に賃貸を引っ越すのであれば、また追加費用がかかるのでマンスリーマンションよりコスパがいいとは言えなくなります。

一度更新をかけて4年毎に引っ越すのが決定しているのであれば、賃貸がコスパ的にいいですね。

ただ、4年間住むつもりであっても仕事やプライベートの都合で前倒しで引っ越す可能性もゼロではありません。このあたりのリスクをどうとるかはあなた次第。

住民票を置く拠点が必要

上にも書きましたが、ホテルやマンスリーに長期滞在するのであれば、そこの住所に住民票を置くことも可能ではあります。

ただ、今の法律やルールをなどを考えるとあまり現実的ではありません。

住民票を置くほど長期滞在するなら、賃貸でいいんじゃないという気もしますし。

以下のどちらかを選択する必要があります。

  • ホテルやマンスリーに住民票を置いて、移動するたびに住民票を移す
  • 住民票を置く拠点を持っておき、ホテルを移動しても住民票はそのままにする

現在の日本では契約ごとや郵便物など、いちいち住所が求められるルールになっていますので住民票問題を解決する必要があります。

逆に言えば、この問題さえクリアできればホテル暮らしは可能です。

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田舎や地方だと難しい

自分で家具や家財を持たずに、いろんなサービスで代替する暮らしになります。

そのため、生活に必要な各種インフラが整った都心部でなければホテル暮らしは難しくなります。

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なぜホテルに暮らすのか まとめ

これまで賃貸を契約して住むのが常識とされてきましたが、時代の変化で様々な居住スタイルが生まれています。

  • シェアハウス
  • ソーシャルアパートメント
  • そもそも家が無い人 など

ノマドワーカー的な働き方や、月の半分以上を出張先で暮らしている人など仕事の形態も様々。

ホテル暮らしもその一つとして増えていってもいいのかなと思います。

また、なにか経験して知見が増えたら追記します。

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